先日、たまたま見ていたベストヒットUSAで
マイケルジャクソンの好きな歌ランキングベスト10をやってました。
一曲一曲に聞きほれていたので順位は正確じゃないかもしれないけど
確か3位がマン・イン・ザ・ミラー
2位がビリー・ジーン
そして1位が「ダントツで」ヒール・ザーワールドでした。

小林克也さんいわく、「正直意外でした。これは発表当時、はっきり言って不評だったんです。
もうそんな時代じゃないだろうと」

歌って祈ってきれいごとを言って、
子どもが将来の夢として作文に書くようなお題目で平和と調和を目指そうなんて
マイケルはいくつになってもなんて甘いのだろうと。いい加減目を覚ませよと。
当時は正直、そういわれていたんですね。
彼自身がスキャンダルの渦中にいましたし、
いつまでも現実を見ることができない子どもはしょーがねーな、なんて見方を一部でされていた。
それは私も感じてました。
特に尖ったロケンローラーには、あからさまにバカにするご仁も多かったと思います。

しかし時は流れ、世界中できな臭い紛争や憎しみ合い、
民族間、異なる宗教間での殺し合いや奪い合いが続く中、
逆に、マイケルの祈りの普遍性が見直されているのです。

彼は生涯一つの夢を歌い続けた。
それは当たり前で、いつの世も大事で、実現するにはあまりに難しく、でも決して捨ててはならない夢だった。
全ての人が垣根を越えて愛し合えたらいい、全ての子どもがその命と人生を尊重されたらいい。
馬鹿にされても笑われてもマイケルは自分自身の地獄の中で歌い続けた。
手放さなかった想いは、なんと尊いものだったんだろう。

フリーハグという運動があります。
「抱き合いませんか」という看板を持って通りに立ち、見知らぬ人と抱き合う。
ただ、一人の人と人として、あなたとひととき通じ合いたい。愛をかわしたい。

韓国の繁華街で、日本人男性がフリーハグを試みてみた。そういう動画があります。
ご存じのとおり対日感情は厳しいものがあるわけですが……
どうなったかは、見てみてください。
BGMはマイケルの、マンインザミラー。

「日本人が韓国でフリーハグ 感動のストーリー」

「それがどうした、何の意味がある?」
「甘い。くだらない」
「薄っぺらだ。何の解決にもならない」

かつてマイケルのメッセージソングに投げつけられた言葉が、多分この映像と試みにも投げつけられるんだと思う。
でも、マイケルの歌に涙した人々は、きっとこのハグにチャレンジした男性の思いにも、そして答えてくれた人々の思いにも
あたたかな幸せを感じることができると思うんです。
イデオロギーを捨てて、理屈を捨てて、
ひととひと、近づき、愛し、理解しあいたいと願う、
その思いを、美しいと思うならば。



恒例の宣伝。

小説家になろう で連載中の小説、更新しました。
「ソロモンの手品」 
7話サブタイトルは「フリア、ルルア」

次で完結です。