さて、今回の事件について、
母親がまずは無責任だとお怒りの鈴木宗男センセイと、責めるだけじゃ解決しないよ、な乙武氏が激突しちゃってるみたいですね。
くわしくはこちらから。
「乙武さんの人間性を疑います」宗男先生激怒!

宗男さんいわく「親として無責任な面があったと思うのは私だけだろうか」

いえいえー。わかってるくせに。
宗男さん、もういい年の酸いも甘いもかみ分けた人なんだろうから言うけど
「~のはわたしだけか」どうかは、世間の袋叩き状態見ればわかるはずでしょう。
こういうよく見る言い回しが身の毛がよだつほどキライなのは「わたしだけでしょうか」
(ほら薄気味悪い!叫び

歳とって何かの賞をもらった人物に対して
「こんな賞が今いただけると、思っていましたか?」と得意げにきくインタビュアーに似てる。
「当然思ってました!」と答える側っていそうでいないのよね。みんなそう空気読むなよって。

さて、世間が渾身の力で振り上げる拳は、9割かた母親に向けられていて
犯人さんにはほとんど向けられていないという、気持ちの悪いこの現実。
犯人が悪いのは当たり前だから?
当たり前に悪いことを無視してまともに腹を立てないのはなぜでしょうか。
さらに、見も知らない他人によくも子どもを預けられるなという言い草が、ふりあげた拳のほとんどですね。
というわけで宗男先生、母親が悪い!とまず腹を立ててるのはあなただけじゃありません。充分多数派です。これで安心でしょうか?

で、現実的な問題。
ベビーシッターにしろ託児所にしろ、「直に知っている人たちがやっている施設」が最初からあるかというと大抵、ないです。
どれだけ多くの人が利用し、どういう評判なのか。
ネットがない時代は知り合いの評判ぐらいしかわからなかった。
人付きあいの希薄になった今、かわりに多くの利用者の声がわかるネットというツールがある。
わたしも、父を預けた老人介護施設はまずそこで探し出し、口コミを見て、それから訪問してみました。
入口がネットであることは一般的に非難されることじゃないと思う。問題はその先、
自分の目でどれだけ見て判断できるかですよね。
だけど、預けてみて思うのだけど
施設の充実度や方針、人の数はわかっても、
介護の質は、実際のところは、それこそ「家族の目の離れたところで実際にタンをとってもらい夜中に何度もベルを押し、おむつを替えてもらわないとわからない」のです。
どれだけ忍耐強いか、どこで切れるかなんてそこまでしないとわからない。

誰が自分でそこまでやって家族を、親を預けているでしょうか?

そしてこの母親がなぜシングルになり、どういう事情で預けたか、それも当人にしかわからないこと。
父親がどこまで責任をとったのかとっていないのかもわからない。
わかっているのは、
子どもを殺したベビーシッターと、母子のそばにいない父親は叩きの埒外にいるということだけ。
そして、行政を憂える、あるいは変えることができる立場にいる政治家さんは「行政云々はともかく、まずこの親が無責任と思うのは私だけでしょうか」ときた。
自分だけかどうか知りたいですか。
じゃあ2ちゃんでもヤフーでも見ればよろしい。
ほらちっともさびしくない。あなただけじゃありません。見事に多数派です。みんなむねおさんとおなじです。

さて、これからどうすればこのような子供を守れるか?
それを考え、実行できる立場にいるのはあなたでしょう。
乙武さんはそこを言っている。
できることがある立場にいる人が個人を責めて何になる、それはもっともなこととして優先して考えなければならないことがあると。
でもこのおっさんは切れてしまった。
そして乙武さんの汚点(私はそう思ってます)まで持ち出してきた。
お前以前、階段でしか上がれないレストランでごねたよな。手足がない自分を運び上げろと切れたよな。そんなごねごねのごねおちゃんが偉そうにいってんじゃないよ。いっぱし人格者ぶりやがってパンチ!と、そんな感じでしょうか。

しかし理は乙武氏にあると私は思う。ここで過去を持ち出すのは大人じゃない。それ言い出したら宗男ちゃんもいろいろあるよね。問題をごちゃごちゃにしてはいけません。
宗男ちゃんは、誰もが責めている当然の非を自分が責めたことで乙武ごときに「怒られた」ことがもう受け入れられないのでしょう。
が、母親無責任とぼっこぼこにするのはもう散々ネット民がしてきたことです。
彼には彼の仕事がある。他の人と違う立場にいるからできることがある。それは「私だけでしょうか」と当たり前のことを問いかけることじゃなく、自分の立場でできることをきちんと理性的に考えること、子どもたちのために前向きな大人でいることだと思う。

あくまで「この喧嘩には負けねえぞ」になってしまってる分、いろんな面で後退してると思うんです。
ちゃんと政治家に戻って考えてください、
その人間性を疑われない程度に、個人的なムカつきは適度に抑えたうえでね。