……そういえば眩しくて見えないので有名なG様が、裏番組で一流芸能人無双状態でしたね。
で、桜ほうさら。(ネタバレ有りです、以下注意)
良かったです!まさに今、こういうのが見たかったわ。
おかっぱの貫地谷しほりちゃんとの並びも漫画みたいでよかったし、
なにより、玉木笙乃介様のキャラがよかったです。
すがすがしいぐらいまっすぐで、根本的に人を信じていて、いじけず明るく優しい文学系日本男児。ある意味、わたしの理想です。そして、あの鍛えた長身痩躯の彼に、この無抵抗侍がなんてよく似合ってることか。
収賄罪に陥れられ、自害した父の汚名をすすぐために江戸に出てきた若侍。ポイントは証拠の文書に記された、父そっくりの署名。これが書ける腕を持つ者を探し出せるか。犯人にはどういう目的があったのか?
ふむふむ。原作知らないわたしには最初から何もかもが興味深かった。背景美術演出ともに力が入っていて、初の4Kの画面もとても綺麗
あくまで文武両道ではなく文に突出していて、武がからっきしダメ。ここが特にポイント高いです。追手に迫られて、腰に刀を差しながらひああとかおわわわって情けない声あげながらひたすらばたばた逃げるんだけども
一昔前なら「そこで一太刀浴びせて思い知らせるぐらいの腕っぷしはあっても罰は当たんないんじゃないの?}とイライラしたと思う。
でも今は、「かっこよく敵を切り捨てて」力なき正義は無効、と吠えて見せるようなキャラは見たくない。いろいろあって、そういう”便利な”かっこよさはもういい。
あくまで刀でなく筆をその指に持ち続ける彼のこだわりを愛さずにはいられませんわ。
父の仇がだれかを示唆しながら、笙之介の優しさを泳がせることで真相を探ろうとしているような、搗根藩江戸詰留守居役、坂崎重秀。
確かにいい人だし、真犯人を前にぶちかます説教は見事です。
出世欲と名声欲に目がくらんで親を売った真犯人に、彼は言うのです。
「人にはみな、大きな口をたたかず一途に生きる道がある。険しい道だが、そしられようが見下されようが決して揺るがぬ強い心がなければ歩けぬ道だ。おまえの父は、誰に褒められずともその道をまっすぐ歩いていた。お前が敬うべきはそのようなお人であったのではないか」
たぶん作者の思いはここに結構生な形で集約されていると思うのです。手段を選ばず正義を勝ち取るために闘う男の物語ではなく、光を求めず地道に生きる男を尊しとする方向性。
そして、笙之介の悪友「弱きものに生きる価値なし」「この世は欲がすべて」と書き散らしていた酔っぱらいの代書屋は、その真犯人に雇われた刺客のようなものだった。
たくらみの大元である「殿」に累が及ぶのを防ぐため、坂崎は代書屋を、つまり笙之介の父の仇を暗に始末します。
その彼に向かい、笙之介は叫ぶのです。
「人は決して虫けらのように殺されるべきではない!」
(しかし、いろいろあっても憎めないこの男、押込を演じた風間杜夫さん、うまかったですねえ。そして近い。てらてらした顔で笙乃介に迫る迫る!)
綺麗ごとの物語だの甘ちゃんだのという人は言うかもしれない。マッチョ的な視線から見れば確実にそうでしょう。でも笙之介には、たとえ正義がそこにあろうと、剣をもってことを収めようとするやり方をとことん、とことん拒否する、芯の通った強さがあるのです。
それは命を尊ぶ心、つながりを信じる心。彼の柔らかな強さは、川辺の桜並木に象徴されているような気がします。
笙之介のこぐ船で川を行く彼と和香のシーンは、本の表紙そのままで、とても美しかった。
和香を眩しいという笙之介様のほほえみや、頬に触れる手。ハートにずきずき来るシーンはもちろん満載でしたが、中でも最高のものをあげろと言われれば
そりゃやっぱり……
全身に汗をかきながら目を閉じる「弱った美男子」に勝るものはありませんわ。ええ。邪ですが何か。
これほど尊い魂をお持ちの笙之介様が無残に真犯人に切られたとき、「いやー、こんな展開ないはず」と内心悲鳴を上げながらも
「でも主人公だしストーリー的には死なないはずだし」
「……」
「じゃ、おいしいかも
」
とうっかり思ってしまった不埒ものにはいずれ存分に罰が当たることでしょう。
謹んでお受けします。
まことにもってすみませんでした
ところで、「汚辱をすすぐ」のすすぐって雪ぐ、って書くんですよね。
この字と読み、好きです。そしてなんとなく玉木君のイメージに合ってるような気がする。
彼の持ち味の両方を感じさせるのが、雪だから。
どんな汚れたものもふわりと純白で覆って、やさしく美しく許してくれる、柔らかな清潔さ。
いつまでも降り注ぐことで、強の者も黙って凍らせる無言の厳しさ。
そんなふうに、
どこまでもやさしくも非情にもなれる。そんな持ち味のうち片方を、堪能させていただきました。
でも個人的には後者のほうも嫌いじゃありません
ところで昨晩のニューイヤーコンサートで、あの楽友協会の黄金のホールが見られましたねえ。タキシードの彼を思い出さずにはいられないあの舞台。そして桜が似合う和な男子の玉木君。
いろいろな思いが交錯して、それもさらにおいしかったりするのでした
さあ次は「わたしの嫌いな探偵」だぜ!
で、桜ほうさら。(ネタバレ有りです、以下注意)
良かったです!まさに今、こういうのが見たかったわ。
おかっぱの貫地谷しほりちゃんとの並びも漫画みたいでよかったし、
なにより、玉木笙乃介様のキャラがよかったです。
すがすがしいぐらいまっすぐで、根本的に人を信じていて、いじけず明るく優しい文学系日本男児。ある意味、わたしの理想です。そして、あの鍛えた長身痩躯の彼に、この無抵抗侍がなんてよく似合ってることか。
収賄罪に陥れられ、自害した父の汚名をすすぐために江戸に出てきた若侍。ポイントは証拠の文書に記された、父そっくりの署名。これが書ける腕を持つ者を探し出せるか。犯人にはどういう目的があったのか?
ふむふむ。原作知らないわたしには最初から何もかもが興味深かった。背景美術演出ともに力が入っていて、初の4Kの画面もとても綺麗

あくまで文武両道ではなく文に突出していて、武がからっきしダメ。ここが特にポイント高いです。追手に迫られて、腰に刀を差しながらひああとかおわわわって情けない声あげながらひたすらばたばた逃げるんだけども
一昔前なら「そこで一太刀浴びせて思い知らせるぐらいの腕っぷしはあっても罰は当たんないんじゃないの?}とイライラしたと思う。
でも今は、「かっこよく敵を切り捨てて」力なき正義は無効、と吠えて見せるようなキャラは見たくない。いろいろあって、そういう”便利な”かっこよさはもういい。
あくまで刀でなく筆をその指に持ち続ける彼のこだわりを愛さずにはいられませんわ。
父の仇がだれかを示唆しながら、笙之介の優しさを泳がせることで真相を探ろうとしているような、搗根藩江戸詰留守居役、坂崎重秀。
確かにいい人だし、真犯人を前にぶちかます説教は見事です。
出世欲と名声欲に目がくらんで親を売った真犯人に、彼は言うのです。
「人にはみな、大きな口をたたかず一途に生きる道がある。険しい道だが、そしられようが見下されようが決して揺るがぬ強い心がなければ歩けぬ道だ。おまえの父は、誰に褒められずともその道をまっすぐ歩いていた。お前が敬うべきはそのようなお人であったのではないか」
たぶん作者の思いはここに結構生な形で集約されていると思うのです。手段を選ばず正義を勝ち取るために闘う男の物語ではなく、光を求めず地道に生きる男を尊しとする方向性。
そして、笙之介の悪友「弱きものに生きる価値なし」「この世は欲がすべて」と書き散らしていた酔っぱらいの代書屋は、その真犯人に雇われた刺客のようなものだった。
たくらみの大元である「殿」に累が及ぶのを防ぐため、坂崎は代書屋を、つまり笙之介の父の仇を暗に始末します。
その彼に向かい、笙之介は叫ぶのです。
「人は決して虫けらのように殺されるべきではない!」
(しかし、いろいろあっても憎めないこの男、押込を演じた風間杜夫さん、うまかったですねえ。そして近い。てらてらした顔で笙乃介に迫る迫る!)
綺麗ごとの物語だの甘ちゃんだのという人は言うかもしれない。マッチョ的な視線から見れば確実にそうでしょう。でも笙之介には、たとえ正義がそこにあろうと、剣をもってことを収めようとするやり方をとことん、とことん拒否する、芯の通った強さがあるのです。
それは命を尊ぶ心、つながりを信じる心。彼の柔らかな強さは、川辺の桜並木に象徴されているような気がします。
笙之介のこぐ船で川を行く彼と和香のシーンは、本の表紙そのままで、とても美しかった。
和香を眩しいという笙之介様のほほえみや、頬に触れる手。ハートにずきずき来るシーンはもちろん満載でしたが、中でも最高のものをあげろと言われれば
そりゃやっぱり……
全身に汗をかきながら目を閉じる「弱った美男子」に勝るものはありませんわ。ええ。邪ですが何か。
これほど尊い魂をお持ちの笙之介様が無残に真犯人に切られたとき、「いやー、こんな展開ないはず」と内心悲鳴を上げながらも
「でも主人公だしストーリー的には死なないはずだし」
「……」
「じゃ、おいしいかも

とうっかり思ってしまった不埒ものにはいずれ存分に罰が当たることでしょう。
謹んでお受けします。
まことにもってすみませんでした

ところで、「汚辱をすすぐ」のすすぐって雪ぐ、って書くんですよね。
この字と読み、好きです。そしてなんとなく玉木君のイメージに合ってるような気がする。
彼の持ち味の両方を感じさせるのが、雪だから。
どんな汚れたものもふわりと純白で覆って、やさしく美しく許してくれる、柔らかな清潔さ。
いつまでも降り注ぐことで、強の者も黙って凍らせる無言の厳しさ。
そんなふうに、
どこまでもやさしくも非情にもなれる。そんな持ち味のうち片方を、堪能させていただきました。
でも個人的には後者のほうも嫌いじゃありません

ところで昨晩のニューイヤーコンサートで、あの楽友協会の黄金のホールが見られましたねえ。タキシードの彼を思い出さずにはいられないあの舞台。そして桜が似合う和な男子の玉木君。
いろいろな思いが交錯して、それもさらにおいしかったりするのでした

さあ次は「わたしの嫌いな探偵」だぜ!