いきなり関係ない動画ご紹介しますね。
今話題のリアルバービー、超美少女な16歳、ダコタ・ローズちゃん。



すっぴんだったらどうのお日様の下ならどうの、そんなこといちいちいじわるに考えなくとも、この画像だけで十分驚異的。こうなるとご本人が頭の中で何考えてるかなんてどうでもいい。
全身はさらにお人形レベルのキュートさです。異次元の生き物みたい。
虚構のお手盛りな美を粗製濫造する身としては、こういう三次元には平伏すしかありません。
わたしみたいな、何でも受信の美アンテナが屋根の上にずらずら立ってる変態人間がさらに男だったら、この動画見ただけで悶々と苦悩し続けてただろうなあ。オンナでよかったわ。

さて、長くなるけど平清盛18話感想行きます。

18話で印象に残ったのは、適材適所な松田翔太as雅仁親王ですね。多分視聴者にもそうではないかと。
彼の持っている、演技力とはちょっと位相の違う何か。空気力、雰囲気力、妖力? 吸引力?
そういう持ち味を実に生かしやすいい役ですね、
のちの後白河天皇様。
少年時代は角髪(みずら)に被衣、赤い紗の狩衣で登場。賭け事にうつつを抜かし今様を歌い笑い散らしてました。キャラデザ担当氏によると、「パンクなイメージ」だそうです。
意図せざるとも、まわりのものを壊し、惑乱させてしまうキャラ。

帝の容体芳しからず(何度この台詞きいたか)な中、風来坊なパンク兄ちゃんは信西の妻・朝子をともなって芸事の盛んな青墓宿(あおはかのしゅく)にうっぷん晴らしに出かけちゃう。

さて、ここでふらふらしてる、雅仁をとりまく正体不明の芸人たち。ちょっと現世を越えて、あやかしの世界の住人のような風情ですね。
子どもたちが被る紙のお面、たしか千と千尋で見たような?
舞楽の案摩の舞に用いる雑面(ぞうめん)という紙製の仮面だそうです。

水☆迷☆宮

芸人たちが踊っていた不思議な踊り。この時代にマイケルのロボットダンスか?と思いましたが、これ、このシーンの振り付けを担当したかたの話によると、ありだそうです。
当時芸能の聖地青墓で舞われていた特殊な踊り、
蟷螂舞、骨無し舞、骨あり舞(史実に基づく)をもとにしているとか。なるほど、ぐにゃぐにゃかきかき、な踊りは骨のあるなしから来てたんですか。

このあやかし空間で出会うのが、乙前という白拍子。タフマン法皇のそばでうろうろしてたあのかたですね。
この白拍子の今様にパンク青年は強く心惹かれ、ついでにその母性に包まれて自分の孤独を吐露しその膝で涙を流す。
展開はいいんです。好きなシーンです。こういう画面がうまく挟まるところが、この平安大河の個性、魅力です。ですけども、聖子さん。
わたしにはこのひとが乙前ではなく、松田聖子にしか見えん!
歌も雅仁のほうがうまいような……いやこれに限ってだけど……
いいシナリオなのに、聖子さんVS雅仁にしか見えず、しかも歳だと言うなら年に見えるぐらい老け老けでいいと思うの。なんかその辺がいまいち入り込めませんでした。

さて近衛帝、わずか十七歳で崩御。今回われらが玉木@義朝君はこの病床に護摩壇を届けるシーンしかでてきませんでした。ええ、繰り返し見ましたよ。

崇徳院は当然、わが子・重仁を推す。叔父子という出自から、名だけの父・鳥羽院に疎まれ続けた自分が実権を持ちたいと望むのは当然です。
でも清盛は鳥羽院寄り。頼んでも、力を貸すといってはくれません。
鳥羽院は近衛帝が若くして死んだのは自分が崇徳院につらく当たったのが原因ではと悩み、清盛の勧め通り、和解を望みます。でも、だから重仁を推したい、あるいは上皇を再び即位させたいという考えは信西によって
「いささか甘うござりましょう」と一蹴されます。
詫びなど遅い、和解は無駄、天下は鳥羽法皇と崇徳帝につくもので真っ二つに割れる。法皇の意のままにできるものを即位させよと。でなければ天下大乱は必定!

この発言の底には、信西の野心が透けて見えますねー。

妻・朝子は雅仁親王の乳母、みずからは養父。雅仁が即位すればいすれ自分がブレーンとして権力を手にすることができる。
だから即位会談の場から、喪中の頼長を追っ払ったんですね。ある意味、ここでの黒さは頼長を越えてます。化けたなあ信西。
一方、図体のでかいバカ息子(八男・為朝。なんでちっこい父ちゃんの息子はみなでかいのだ)が大暴れして鳥羽院の所領を荒らしまわった結果、激怒した鳥羽院から職を解かれた為義父ちゃんは、藤原摂関家にお仕えするしかなくなる。そこで藤原頼長のもとに捕まえてきたのが悪僧・鬼若。後の弁慶。以前助けて差し上げたにもかかわらず、悪行の罰として頼長様より二百叩きの刑とのお達し。
仕えている主人が冷血だろうがなんだろうが、上のものに仕えなければなんらないのが武士の身分。そこんところを鬼若にさげすまれ笑われて父ちゃん激昂、縛られた鬼若を打ちまくる。もう、背中に「そろそろ終わり」と貼ってある危うい姿です。こののち父為義と子義朝は断絶し、保元の乱へとなだれ込んでいくのですね。

で、即位はまさかの雅仁。もちろん、意のままになんかできません。

結局雅仁が即位することになった結果、後白河天皇方と崇徳上皇方に勢力図が分裂し、双方の武力衝突に至ると言う……まさに天下大乱ですね。まあそれは後の話。
いろいろな視点から上手くドラマ作りがされていて怪しく厳しくおもしろき回でした。

いつも思うのが、各自の「顔」がいいなあということ。
顔。
紙の面の顔も入れて、雅楽の面。
頼長のどこまでも腹黒い顔。
鳥羽院の皮膚の薄い、感情がいつも破裂寸前の顔。
月を見上げる基本無表情の崇徳帝の青白い野心、
丸顔の犬みたいなわりににけっこう黒い信西の顔、
雅仁の底知れない欲望と野心、虚無を秘めた顔。

そして、みんななかよくすればよいではないか、とまっとうであまり役に立たないことを堂々と言う、
清盛の顔も、いいです。
いっそわかりやすい感情を持っている清盛が中心にいないと、まわりが黒くて暗すぎてこれはつらい。
為義、義朝親子の顔について語るのは次回以降にしましょう……
悲しい、苦しい、せつない顔ばかりになるんだろうなあ。

ところで、予告の塚地武雅as藤原信頼の、突然のでかい顔に驚いたのは私だけではないはずだ!
あんた歴史上ではあの後白河天皇の寵臣じゃないの?
そっちの方のお盛んな彼の手つきになるんじゃないのか?
いいのかこれで??

……どうやら後白河君は男の趣味が大変に悪く、つまり美的感覚が狂っていたらしい。
わかりました。とどのつまり、変態ですね。ならばキャラ通り。


でもさあ。
あの義朝もついちゃう側なんだし、なんというかも少し、

……ま、いいや。