さて、17話。
清盛、いよいよ棟梁になりましたね!しかもはじめて顔が泥で汚れてない(笑)
一族を集めた席で
清盛「平清盛である!!」
忠盛「皆、存じております」
のっけから転ばせる忠盛。ボケ突込みのいいコンビ組めそうだがこの席でそれはいささか気の毒では。
続いでボケをかましたのが時子で、人数を把握しきれず料理が足りてない!
尾頭付きというのは尾と頭があるからめでたいんで、清盛は頭だけ。
「なんじゃこりゃあ!」の清盛に思わず噴き出しました♪
じゃあご馳走の代わりに琵琶でも披露すれば、と横から助け舟出してもらったのに、もう弾いてないので忘れました。と、時子も場をつくろわずあくまで正直さん。
ここで清盛の怒りは爆発、あろうことか亡き明子と比べて罵倒してしまいます。
この天然ぶりとのんびりとした愛らしさを、深キョンはうまくだしてますねえ。この演技で初めてこの人に好感持ちました。
で、玉木義朝ですよ。
こちらもすっかり正装で凛々しくおなりで、表情もいつになく穏やか。廊下で出会った清盛の出世も余裕で賞賛して見せます。それもそのはず、後ろには妻となった常盤御前が控えておるという次第。
これがまた幼さを残す可愛らしさで、これは仕方ないんじゃ、と思わせる魅力はあるものの、当然由良姫の面影が視聴者には浮かんでしまうと言う。だって前回、父子の不仲を取り持とうとして失敗し、涙していた健気さがまだ記憶に新しいですからね。
あれほどのツンデレ姫が、今はどうしたら夫の役に立てるかに心を砕くひたむきな妻となり、その上若い常盤に夫をとられては……
ここで視聴者は、「父上はひどいです!」と由良の隣に座って憤る幼い頼朝に感情移入しちゃうわけで、さらに、今の時代はわが子を増やして勢力を広めるのは致し方ないこと、と諭す由良に心を痛めるわけです。
そりゃそうだよ、ええ、こうして定点観測すると腹も立ちましょう。雨も蕭蕭と降ってるしね。
だけど清盛父も複数の女性との間に子をもうけておるわけで、
義朝も結局男子は総勢十一人だっけ?
その中に由良が生んだ頼朝も、常盤が生んだ、のちの名将義経もいるわけで、彼らがまた新しい歴史を切り開いていくわけです。まあ行く先は悲劇ですが、どんどんどんどんと人が死んでいく平安において、一族を存続させようと思えばそれは致し方ない。
でも今の世で現代ドラマに置き換えてみれば「ひっどーい」になっちゃうんだよねえ。
清盛も、義朝に「妻だ」と常盤を紹介されたとき、「おい、由良御前は?」じゃなくて
男がよい働きをするためには女の存在がどうしても必要だ、その女のおかげででかくなったなあ、男とはそういうものよと羨ましく思っているだけ。そういう時代なんですよ。
けれど清盛は、時忠より、時子が琵琶をやめたのは明子の音色を思い起こさせるから自分からやめさせたではないかといわれ、己の身勝手を恥じるんですね。
そして、上の兄弟と腹違いの自分は父親に愛されていないといじけまくって書のけいこをしなかった清三郎を厳しくしかり、あまつさえ妻のしつけのせいにした自分を反省して、棟梁になって初めての歌会でこう詠みます。
「重盛に 基盛それに 清三郎 清四郎みな われらの子なり」
周囲は季節のお題(春)に関係ないしもないしだいいち歌になっていないと笑いますが、いつの時もあたたかく自分と子供たちを支えてくれる時子こそが春だ、と、粋なことを言うのです。愛ですねえ。子どもたちも清盛に向かって言うのです。
「母上を傷つけるようなことを申さば、父上といえども許しませぬ」
ああ美しき家族。仲良きことは美しきかなの平氏です。
 鳥羽院は清盛を「われらにもっとも足りぬものを持っている」と評しますが、それは柔軟性であり、人間らしい愛情であり、そして生命力そのものでしょう。

一方源氏親子は悲惨です。なんと為義は源氏の長の証である名刀・友切を異母弟・義賢に与えると宣言。これは事実上の廃嫡ではないですか。
何故かと詰め寄る義朝に言った言葉は謎のようです。わが誇りである義朝よ、お前は強くなり過ぎた。父の誇りを踏みにじるお前に源氏を背負わせることはできない。
武士の世を作り、平氏一族の上に立つのがとーちゃんの目標だったんじゃないのか?
強い息子をこそ取り立てないで何とする?
よほど彼に、藤原摂関家の言いなりになる父上は盗賊と同じ、と断じられたのがこたえたんだろうか。とどのつまり、自分の思い通りに動くコマではない、強くはあっても御することはできない、と見切りをつけたんでしょうか。
一方、今の帝の体調がよくないことにかこつけて、帝が亡くなれば崇徳の子・重仁が帝となり政治に復帰できるのでは、とささやく雅仁親王。その彼を「手中の珠」という信西。なんだかこっちはどんどんブラック寄りになってきましたね。

とまあ久々にストーリー含め長々と語ってしまいましたが、いいバランスの脚本だと思うし、それぞれの演技も的確でますます面白くなってる感じです。そしていろんな面で人間臭い義朝のこれからが、みたくもありみたくもなしで(史実が語ってるからなあ)
でも身ぎれいになってワクワクするぐらい美しく男前になってる義朝は、
正直、ビジュアル的にた、たまらん。
ええ、行く先がどんなでも、ついてゆきまするぞ!ドキドキ