遅ればせながら録画してたの見ました。
ん~~~,なるほど。主役はとことん中井貴一氏だったのか。
彼の演技と、舞子役の吹石一恵さんの演技が、とにかく光ってましたねえ。
そして人でなしのヤクルトタフマン、伊東四郎法皇。見くびってました、この人の存在感凄いです。憎いしいやらしいし、化け物じみててお見事。
にしてもだ。すごい時代です。
俗物と人殺しと泥棒と、法皇と麻呂と側女と白拍子と海賊。
こんなキャラクターが揃ってうごめいていた時代があったこと自体が、嘘みたい。
いまや平民と金持ちと貧乏人ぐらいしか日本にはいないのに。
殺生、という言葉があるけれど、殺 と 生 との両方が第一話から生々しく遠慮なく描かれていて、そこの重苦しさが、見る人を選んじゃったのかな。(視聴率的に)
でも、清盛生誕までのドラマとして、時代背景を踏まえてきちんと過不足なく描かれているし、清盛の養父を演じた中井貴一氏が、あの難儀なキャラクターをしっかり演じきって、ドラマのスタートにすごい説得力を持たせてくれてましたね。
それに、白拍子の歌う、「遊びをせんとや生まれけむ」という今様が、
この残酷なドラマにいい色合いを添えていて、使い方美味いなーと思った。
目の前のことに夢中になって遊ぶ子供。ほかは目に入らない、一途な生き方。
命の保証なんてない毎日の中で、そうやって真っ直線に自分の道を見つめることでしか、生きられなかった時代なんですね。
ロングでよくススキの原っぱが映りますけど、鉈でススキを薙ぎ払うようにして進んでゆくような生き方、それがこの時代のひとりひとりの生かもしれないと思いました。
それと、吹石一恵さん。
氷壁での印象が強かったんだけど、いい演技だった!なんというか、このひとにはもっと演じてほしかったなあ。
怪物法皇の慰み者にされ、はらんだ子供の命を守り、その最後に自分と子どもを、一族の命運までかけて引き受けようとした男の情に出逢う。
そして自らの命を投げ出して男の名誉を守るんですね。
(漫画版蒼天航路の、水晶の生涯を思い出したりして)
短い出番でしたが、ドラマチックで辛い女の生涯を、強さ優しさはかなさを醸して、しっかり演じきってくれてました。
でも、ねえ。お茶の間(今の家庭にそんなのがあるかどうか疑問ですが)で蜜柑食べながら、家族でワイワイやりながら見れるドラマでもないですよね。
映画むきというか、重いし、綺麗ごとじゃないし、いろいろえぐり度えぐられ度が一般家庭の娯楽レベルじゃない。
でも、前回引用した玉三郎様のレビューは、見てみるとさらにいちいちうなずけました。
……今の時期にこのような時代物を作ることが出来るのだと、我がことのように感激しました。 時代物が消えていく時期に、このような作品が出来るのだと勇気が出ました。
制作費も時間も掛かっていることが分かりました。これからどうなって行くのか更に期待しています……

ホンモノにこだわる人には評価してもらえるでしょうけど、よし、これからこのドラマに参加するぞ!という気合の入った視聴者をどれだけ獲得するかとなると、結構ハードル高いかも。
でも、舌触りのいい誰にでもなじめるお茶の間ドラマになんてせずに、志を貫いてほしいと思います。
さて、今夜も見るぞ!幼き義朝、カモン!

一応、(くどいのでやんないといっといてか!)
小説、八話
ついでに謝っとこう、レベルう違うけどほんとに重苦しくて済みません。