さて、短い骨休めが終わりました。
というのは嘘で、嫌で嫌でしょうがなかった予定をこなしていただけでして。
ぶっちゃけ、入院して、カテーテルアブレーションという不整脈の簡単な手術を受けていたのでした。
カテーテルアブレーションというのは、体のどこも切らすに、血管の中にカテーテルという管を挿入してその先で問題のある部分を焼き切る手術のことです。
私の心臓にどういう問題があったかと言うと、長年のお付き合い、発作性上室性頻脈というやつ。
心臓の拍動というのは、一定の回路の中を電気刺激がめぐると打つ、という仕組みになっているらしいのですが、私の場合余計なバイパスが通り道にできているらしく、その横道にそれると、狭い袋小路を電気刺激がぐるぐる回り始め、止まらない高速縄跳びのように心臓が超早打ちを始めてしまうのでした。
通常55くらいのゆっくりとした脈の私にとって、いきなり180~200にまで脈が飛び上がるのは相当の苦痛です。
15分を過ぎると立てなくなり、顔面蒼白になり、トイレにも行けず、一時間を過ぎると失神手前。薄く早い脈では頭にまでまともに血が来ないのです。
昔は咳をすると止まる、というありがたい癖があったのですが最近はそれもきかず、2,3カ月に一回は救急外来のお世話になるようになり、こりゃ迷惑だってんで手術に踏み切りました。
小説をアワアワ急いで仕上げたのは、何となく気持ちのいい手術じゃなかったんで、とにかくこれにかかる前にアップを終わらせたかったのです。
どうにか完成させて、一度にアップできる字数で割ってみたら、丁度入院前日に終わることになり、ギリギリ感にびっくりしました。
実は小説書いてる間にも二回発作が来て病院の緊急外来にお世話になってたんですよね。人にもよるけど、私の場合倒れちゃうんです。
小説にも発作って出てくるけど、何か美形のかたが苦しんでる図は世間的にエロイようですが自分となると全然萌えられん。当たり前だが。
来るたび来るたび、今度こそ死ぬ、と思っちゃう。生還できる自信がないという。
そんなこんなで主治医に説教されること何年か。「今こそ焼き時だよ。秋だし! 」とよくわからん言葉に押されて焼いてまいりました。
盲腸の時は、剃毛と言うのが世の青少年の天敵になるようですが、入院後手術前日にシャワー浴びて剃刀で自己処理で完成。
でも可愛い看護婦さんに
「はい、ちゃんと剃れたかみせてね」と確認されちゃうという。
神様、玉木宏君が上室性頻脈になりませんように。
カテーテルは、太ももから三本、首筋から一本入れて合計四本が心臓に集結して焼き切るのです。
点滴に安定剤か何か入れて頭をぼーっとさせるという病院も多いようですが、そんなこたしてくれず、素っ裸に手術着と言うかっこでストレッチャーで運ばれ。手術台の上では粘着テープばりばり取られて結局全裸に近い有様に。なんか紙みたいの全身にかぶせられ、太ももと首だけ露出してるような感じ。
麻酔と言うものがとにかくききにくい私は今回もあまりきかず、
太ももの静脈からカテーテルぐりぐり入れる→ たいへん痛い。気色悪い。
首からぐりぐり入れる→ 痛い。気色悪い。
そのままずこずこ突っ込んでる感じがする。おいおい、心臓までって直線コースじゃないよね?突き破ったりしないの?ほんとに四本も入ってんの?道に迷ってレバーとか焼かないでね?と大変不安に。
どうやら心臓に達した模様。
ここからは電気刺激を与えてわざと不整脈を誘発し、どこに横道があるのか確認する作業です。
既にカテーテルの負担で心臓が変調をきたしてます。飛ぶ、連打する、つっかえる、脈が乱れるたびに心臓に衝撃がある。怖え。
で、「はい450から」とか[次500]とか言いながら刺激を与えて行く。そのたびに踊りまわる心臓。おええ。頼むはやくみつけて。
「この心臓落ち着きはらっててぜんぜん駄目だ」
ぎゃえ。センセイ、全然おちついてないですけど。というわけで心臓に負担を与える点滴追加。見る間に心拍数があがってゆく。自由自在なんだなあ、拍動って。
そしてまた電気刺激。ついに発作起きる。どきどきどきどき…
「きたきた、ジャンプした!ここかあ。○○さん、これだよね?」
「はいこれです」
「バイタル180.こりゃ大変だな、今までよく我慢してきましたね」
いいから早く止めてくれ。
「いったんとめて、また起こしますよ~」
いやでございます~~~~
また誘発、止める。先生ご満悦。「よし間違いない! 今から焼きますからね~」
はいはい、秋ですからね。こんがりどうぞ。
『開始5秒、20ワット、○○度』
マイクを通して、ワット数と温度があがってゆくのが報告される。
心臓の中がポッとあったかくなったと思ったら、だんだんきた、あつっ。ほんとに心臓の中焼いてるんだこれ!
「はい一分。もう一度焼きます」
そしてもう一回。あちちち。
「はい、焼ききりました。成功です!おめでとう。」
そんな感じで手術は終わり。
私の長い悩みも消えたのでした。
しかし今回一番の試練は病室に帰ってからだった。
静脈を傷つけているので、特に太ももに管を通した右足は絶対動かしちゃだめ。
手術後三時間は絶対安静。先生が出血の様子見て消毒したらトイレにも行けます。
で。手術二時間、安静三時間、計五時間のあいだのトイレをどうするか。
「ベッドの上で使う便器があるので訓練しましょう」
「使いません」
「じゃあ導尿管つけますか?」
「いやです」
ちなみにこの膀胱まで通す導尿管、男性の場合、初めての方の感想は
「ああああああああああああああああ」
だそうです。
神様、玉木宏君が上室性頻脈になりませんように。
というわけで、五時間くらい我慢するさ、と宣言したわたくし。
五時間経過。先生きません。
「すいません三十分遅れるそうです」
「あの、後一時間遅れるそうですよ~」
目の前にいるのは看護婦のお面かぶった鬼に違いない。と言うかこんなの夢だ。
もう柵につかまってぷるぷる、首まで膀胱にして頑張る覚悟。
そして我慢すること七時間半。
すたすたやってきた女性医師、
「はいじゃあ消毒しましょうか、傷口押しても痛くないですか?」
痛くないけどやばいやばいやばい押すとやばいああああああ
何だかんだでトイレに行けてばんごはん食べられたのは夜の九時でした…
まあとにかくそんなこんなで生還したわけです。
でも何もない病室で誰とも口をきかず過ごす時間って嫌いじゃなかったな。
おえかきしたり妄想したり昼寝し続けてユニークな夢見たり。
ぼーっとするのがなにより好きな私です。
皆さんからもらったコメントは、読むだけ読めてました。改めて、たくさんの小説へのご感想、ほんとにどうもありがとう。感激です。
あの先のことは正直全く考えてません。いや、妄想は続いてますが
賀来くんに「Blue」でいわせた
『神話みたいに、ものがたりみたいに』
といえる範疇までで、あの小説はいいんじゃないかと思っていたので…
このさきとなると、結城はどう転んでも非道になるしかなく、人間性の変わらないまま引きずられる賀来はひたすら悲劇で
後はエロとグロと身も蓋もない現実が待っているだけという…
でもその身も蓋もない映画であれほど中毒患者を量産したMWって。
改めてすごかったんですね!というか二人のとりあわせがもうね。
ところで、私のいたずら書きがまとめでなくちゃんと見たい、というご意見があったので
絵にされるとイメージが固定してやだ。とおっしゃるかたのために
下のほうにこっそりアップしましたので
好奇心のあるかたはどうぞ。これはあくまで私のイメージですので。
ということで、本日はこれまで!

というのは嘘で、嫌で嫌でしょうがなかった予定をこなしていただけでして。
ぶっちゃけ、入院して、カテーテルアブレーションという不整脈の簡単な手術を受けていたのでした。
カテーテルアブレーションというのは、体のどこも切らすに、血管の中にカテーテルという管を挿入してその先で問題のある部分を焼き切る手術のことです。
私の心臓にどういう問題があったかと言うと、長年のお付き合い、発作性上室性頻脈というやつ。
心臓の拍動というのは、一定の回路の中を電気刺激がめぐると打つ、という仕組みになっているらしいのですが、私の場合余計なバイパスが通り道にできているらしく、その横道にそれると、狭い袋小路を電気刺激がぐるぐる回り始め、止まらない高速縄跳びのように心臓が超早打ちを始めてしまうのでした。
通常55くらいのゆっくりとした脈の私にとって、いきなり180~200にまで脈が飛び上がるのは相当の苦痛です。
15分を過ぎると立てなくなり、顔面蒼白になり、トイレにも行けず、一時間を過ぎると失神手前。薄く早い脈では頭にまでまともに血が来ないのです。
昔は咳をすると止まる、というありがたい癖があったのですが最近はそれもきかず、2,3カ月に一回は救急外来のお世話になるようになり、こりゃ迷惑だってんで手術に踏み切りました。
小説をアワアワ急いで仕上げたのは、何となく気持ちのいい手術じゃなかったんで、とにかくこれにかかる前にアップを終わらせたかったのです。
どうにか完成させて、一度にアップできる字数で割ってみたら、丁度入院前日に終わることになり、ギリギリ感にびっくりしました。
実は小説書いてる間にも二回発作が来て病院の緊急外来にお世話になってたんですよね。人にもよるけど、私の場合倒れちゃうんです。
小説にも発作って出てくるけど、何か美形のかたが苦しんでる図は世間的にエロイようですが自分となると全然萌えられん。当たり前だが。
来るたび来るたび、今度こそ死ぬ、と思っちゃう。生還できる自信がないという。
そんなこんなで主治医に説教されること何年か。「今こそ焼き時だよ。秋だし! 」とよくわからん言葉に押されて焼いてまいりました。
盲腸の時は、剃毛と言うのが世の青少年の天敵になるようですが、入院後手術前日にシャワー浴びて剃刀で自己処理で完成。
でも可愛い看護婦さんに
「はい、ちゃんと剃れたかみせてね」と確認されちゃうという。
神様、玉木宏君が上室性頻脈になりませんように。
カテーテルは、太ももから三本、首筋から一本入れて合計四本が心臓に集結して焼き切るのです。
点滴に安定剤か何か入れて頭をぼーっとさせるという病院も多いようですが、そんなこたしてくれず、素っ裸に手術着と言うかっこでストレッチャーで運ばれ。手術台の上では粘着テープばりばり取られて結局全裸に近い有様に。なんか紙みたいの全身にかぶせられ、太ももと首だけ露出してるような感じ。
麻酔と言うものがとにかくききにくい私は今回もあまりきかず、
太ももの静脈からカテーテルぐりぐり入れる→ たいへん痛い。気色悪い。
首からぐりぐり入れる→ 痛い。気色悪い。
そのままずこずこ突っ込んでる感じがする。おいおい、心臓までって直線コースじゃないよね?突き破ったりしないの?ほんとに四本も入ってんの?道に迷ってレバーとか焼かないでね?と大変不安に。
どうやら心臓に達した模様。
ここからは電気刺激を与えてわざと不整脈を誘発し、どこに横道があるのか確認する作業です。
既にカテーテルの負担で心臓が変調をきたしてます。飛ぶ、連打する、つっかえる、脈が乱れるたびに心臓に衝撃がある。怖え。
で、「はい450から」とか[次500]とか言いながら刺激を与えて行く。そのたびに踊りまわる心臓。おええ。頼むはやくみつけて。
「この心臓落ち着きはらっててぜんぜん駄目だ」
ぎゃえ。センセイ、全然おちついてないですけど。というわけで心臓に負担を与える点滴追加。見る間に心拍数があがってゆく。自由自在なんだなあ、拍動って。
そしてまた電気刺激。ついに発作起きる。どきどきどきどき…
「きたきた、ジャンプした!ここかあ。○○さん、これだよね?」
「はいこれです」
「バイタル180.こりゃ大変だな、今までよく我慢してきましたね」
いいから早く止めてくれ。
「いったんとめて、また起こしますよ~」
いやでございます~~~~
また誘発、止める。先生ご満悦。「よし間違いない! 今から焼きますからね~」
はいはい、秋ですからね。こんがりどうぞ。
『開始5秒、20ワット、○○度』
マイクを通して、ワット数と温度があがってゆくのが報告される。
心臓の中がポッとあったかくなったと思ったら、だんだんきた、あつっ。ほんとに心臓の中焼いてるんだこれ!
「はい一分。もう一度焼きます」
そしてもう一回。あちちち。
「はい、焼ききりました。成功です!おめでとう。」
そんな感じで手術は終わり。
私の長い悩みも消えたのでした。
しかし今回一番の試練は病室に帰ってからだった。
静脈を傷つけているので、特に太ももに管を通した右足は絶対動かしちゃだめ。
手術後三時間は絶対安静。先生が出血の様子見て消毒したらトイレにも行けます。
で。手術二時間、安静三時間、計五時間のあいだのトイレをどうするか。
「ベッドの上で使う便器があるので訓練しましょう」
「使いません」
「じゃあ導尿管つけますか?」
「いやです」
ちなみにこの膀胱まで通す導尿管、男性の場合、初めての方の感想は
「ああああああああああああああああ」
だそうです。
神様、玉木宏君が上室性頻脈になりませんように。
というわけで、五時間くらい我慢するさ、と宣言したわたくし。
五時間経過。先生きません。
「すいません三十分遅れるそうです」
「あの、後一時間遅れるそうですよ~」
目の前にいるのは看護婦のお面かぶった鬼に違いない。と言うかこんなの夢だ。
もう柵につかまってぷるぷる、首まで膀胱にして頑張る覚悟。
そして我慢すること七時間半。
すたすたやってきた女性医師、
「はいじゃあ消毒しましょうか、傷口押しても痛くないですか?」
痛くないけどやばいやばいやばい押すとやばいああああああ
何だかんだでトイレに行けてばんごはん食べられたのは夜の九時でした…
まあとにかくそんなこんなで生還したわけです。
でも何もない病室で誰とも口をきかず過ごす時間って嫌いじゃなかったな。
おえかきしたり妄想したり昼寝し続けてユニークな夢見たり。
ぼーっとするのがなにより好きな私です。
皆さんからもらったコメントは、読むだけ読めてました。改めて、たくさんの小説へのご感想、ほんとにどうもありがとう。感激です。
あの先のことは正直全く考えてません。いや、妄想は続いてますが
賀来くんに「Blue」でいわせた
『神話みたいに、ものがたりみたいに』
といえる範疇までで、あの小説はいいんじゃないかと思っていたので…
このさきとなると、結城はどう転んでも非道になるしかなく、人間性の変わらないまま引きずられる賀来はひたすら悲劇で
後はエロとグロと身も蓋もない現実が待っているだけという…
でもその身も蓋もない映画であれほど中毒患者を量産したMWって。
改めてすごかったんですね!というか二人のとりあわせがもうね。
ところで、私のいたずら書きがまとめでなくちゃんと見たい、というご意見があったので
絵にされるとイメージが固定してやだ。とおっしゃるかたのために
下のほうにこっそりアップしましたので
好奇心のあるかたはどうぞ。これはあくまで私のイメージですので。
ということで、本日はこれまで!
