ブログ記事へのお返事もそこそこに
更新しちゃいますけど…
ちょっと、頭に浮かんでることはとっとと書かないとすぐ白紙状態になる今日この頃ですので
こっち優先させてね。


みる前は割と軽視してました、スピンオフドラマMW。
主役は出ずっぱりの佐藤健クン。
ほんとにお疲れ様でした。映画版の石橋さんとタメ張るくらい爆走してたね。

で、感想でよく見るのが「なんかよくわからないけど面白かった」
「というか途中で理解不能」
「携帯うちながら見てたらわけがわからなくなった」
「結城って何がしたくてあんなひでーことしてるわけ?」

原作読むか映画見るかしてなければ確かにわかりにくいよね。
ちょっと自分流の説明させて。
録画したドラマまだみてなくてこれから、って人はこれ以降は回れ右してください。

これは国家的犯罪である「MW]の悲劇にまつわるドラマで
それとかかわって住民が全滅した島の秘密をめぐり
真相を探ろうとした記者とか
島出身の生存者とか、その家族とかが
口封じのために巨大な権力に殺されたり、代償を得て隠ぺいに加担したり…

そんなタブーにひとり切り込んでるのが島の生き残りの少年のひとり、結城美智夫(玉木宏)というわけです。

と書くと正義の味方のようだけど
彼はある理由により、人間の良心というものを破壊されてしまっているので
復讐には全く手段を選ばず、人の命を奪うのに何の抵抗ももありません。

で、島の秘密を暴こうとして殺された女性記者の息子が、佐藤君ね。
父親は、息子の安全と自らの地位のために口を閉じて、与えられた権力に甘んじた。
孤児院育ちのその息子に結城が近付き、父親がかかわった事件を暴かせようとする。

まあそういうストーリーでした。

私は思った以上にこれ評価してます。センスのいいドラマだったと思う。
何がいいって、映画と一番大事なところがシンクロしているところ。

この主人公の佐藤君は、どんなに殺すべき理由があっても憎しみがあっても、
愛する人を人質に取られても
「人を殺す」という一線が越えられない、すごくまともで正しい人。
貧しいけれど実直に生きて
自分の身の回りの人の幸せを願い、自己中ではけしてなく、思いやりもある。

そして、巨悪に操られた彼の父親もまた協力者も
それぞれに守るべきものがあり、のっぴきならない理由があって
一番弱いところをつかまれたまま踊らされている、いわば被害者。
そこはちゃんと説明もしてある。
そして父親と息子は涙で理解しあってもいる。
なのになのに、
最後の最後に、「仕掛けられた爆弾の導火線を切る」というおきまりコースで
正しい主人公は、まさかの爆死。
その前後で、結城が紛らわしい動きをするので
何かの条件と引き換えに爆発を止めるのかと思いきや、それはなし。
しかも、巨悪に踊らされた気の毒な人たちもみんな結城に殺される。

主人公が命を失った理由がまた…

「お前の母親を殺した男を殺せ」「そいつの服と同じ色の導火線を切れ」
という言いつけを破って
男を殺せなかったから。
その罰として、自分が死ぬことになるというすごいストーリー。

「人間には二種類いる。いざという時に人を殺せる奴と、殺せない奴だ」
最初に結城が言うセリフですが、
結城は16の時にすでに人を殺しているそうで
何のストッパーもない人間です。

そしてたぶん、佐藤くんが(役者名でごめん)人を殺せない人間と見抜いた上でゲームをしかけているんですね。

だから最初からいたぶって殺す気だったんでしょう。何という人でなし。
唯一の協力者であった真澄ちゃん、じゃない小出君にも、結城は
膝に抱いて最後に「ありがとう」と一言お礼を言ったあと爆弾でふっ飛ばします。

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しかしこれがこのストーリーの影の主役なんです。
そして映画でもそのスタンスは変わらない。

結城は反省しない、躊躇しない、正しい人も情のある人も容赦なく毒牙にかける
しかし結城が立ち向かおうとしているのは、一番許せない巨悪の中心。
彼の良心を丸ごと破壊したのもその連中。

最悪なのは誰?

この映画において、ドラマにおいて、
はっきりしているのは「神」が不在だということですね。
それがふつうはあるから、大抵の映画もドラマも、正しい考えの主人公は死なないし、
悪者はしまいに思い知るんですね。
でもこのMWにおいては、そんなものいません。

ただ、結城と、結城という悪魔に恋している神父がいるだけです。

神父は、映画のはじめっからもう
結城がいないと生きていけない状態の狂気の片思い状態なので
感情移入もできない極端なキャラクター☆

多分映画のほうが入り込みにくいでしょう。


でも、私はこういうテイストがたまらなく好きなんですYO!
神父(山田孝之君)目線から見れば
天にも地にも人はいない、ただ結城と自分とMWがある。

愛する結城がMWしか見ないなら、俺はMWを殺して結城を手に入れよう、永遠の世界に連れて行こう。
これが神父の行動の規範です。
誰もかれもが狂気の沙汰。
光と闇、正義と悪、そんなもんじゃありません。

彼は、ある雑誌で
結城と自分との恋愛関係をもっとちゃんと表現するシーンがあってもよかった
やるならとことんやりたかったといってました。
つくづくつくづく
もったいねえええええ!!

ままそれはおいといて。

まあ、原作ファンの人も
まずは原作を忘れ、ドラマはちょっとだけ頭において
この狭い世界のドロドロと途方もなく広い世界の絶望を味わってください。
あっ、ただのアクション映画と思って見に行くのが一番いいですけどね。
うん、それが一番いいですけどね。

ちなみに見どころは、片思いの相手である結城に
たくましい神父が殴られけられいいつもアザだらけにされてるところです合格


以上、ドラマの感想と独断と編見による予備知識でしたドキドキ