角の席。

人が通る度に見られている気がするが、他にも何人かバーベキューをしている。

そうだ。
2人でアウトドアな事って初めてだ。

『これ焼こう!』

『えっこんなにたくさん買い物してたんだ』

こんなにたくさんと言うほど、気付けばテーブルの上には魚貝類があった。

『まずは、このエビ。生で食べると旨いらしいから』
と手渡されたエビ。

しょうゆにつけてひとくち。

『甘い!超美味しい!』
『うん。旨いね。で、このエビのしっぽを焼くんだよね』

『えっ?』

『旨いらしい…』

『次はハマグリ焼くかな』

『いいねぇ』

と…

私そう言えば…

貝類が大好きだけど、決まって1時間後には…

下痢するんだよな…

不安がよぎった

が、美味しいものと楽しさと彼が買ってきてくれたものに負けた。

『ホタテだ。幸せ』

『美味しいでしょ?』

『うん。ここ最高!』

『何度かテレビで見ていて、一度来てみたかったんだよね』

『へぇ~。あっ!沢山サインがあるね!』

『だから、テレビで見たって言ってるじゃん』

『そっかぁ』

そんな会話をしている中で、ハマグリが口を開いた。

美味しそう。

でも1時間後がコワい。

なんて思いながらも、ペロリと平らげた。

激うま。

何だかんだで焼くものもお腹も満足し始めた。

お片付けをしながら、周りを見回した。

私たちだけになっていた。

『さてと、買い物してお土産買って帰ろうか?』
『うん!』

席を立った。

まだ下痢の兆候は出てきていないが、帰るまでお願いだからお腹よ!痛くならないで。と願うばかりだった。

会社の人達へのお土産と家で待っている息子達にお土産を買った。

食べ物。

なるべくナマモノでないものを選んだ。
市場なのに。


そして、さっきとめた車の場所まで戻った。

『運転よろしく』

やっぱりそうか…

『了解』

イスを自分の位置に変え、エンジンをかける。

ってか、どこまで運転するの?わたし…