初めて聴く音楽の場合、僕たちはそのなじ
みなさを嫌わず、まず最後まで聴く我慢と
努力と寛容さを持たなければならない。
それをくり返すことで親しみが生まれ、やが
ては、その音楽の新しい魅力を少しずつ発
見し、その深い美しさを発掘し、そしてその
音楽を愛するようになり、その音楽が自分
にとってなくてはならないものになっていく。
実は、音楽だけに限らず、僕たちは今愛す
るものについても、同じように最初のなじみ
なさから出発する愛の学びの道をたどって
きたんだと思う。
仕事を愛する場合でも、自分自信を愛する
場合でも、もちろん誰かを愛する場合にお
いてさえも。
愛はいつでも、このように学びの道を通り抜
けて姿を現してくるのだから。