ナイトラン。




私にとっては、ちょっとした旅。




自分の脚でしか進めないんだよ。




頼る人も、物もないんだよ。




自分だけが頼りなんだよ。




歩みを止めれば、どこへも行けない。




進まなければ、帰ることもできない。




一人っきり。




でも、その孤独感がいいの。




何にも周りに惑わされず、自分の世界。




自分の気持ちに素直になれる。




周りは暗い。




自分を見てる人なんていない。




笑っても、怒っても、泣いていても、




誰も見てないから平気。




いろんな感情が湧き出てきて、




咽せかえってしまうこともあるけれど、




汗と一緒に流れてしまう。




苦しいのは体ではなく、感情のコントロールかもしれない。




やっぱり私は夜しか走れない。








ナイトラン。走ってきた。




頭も体も軽くなった。




心地よい疲労感。




今日はよく眠れるかも。






今日会ったひと。




駅前。




塾帰りの中学生。




部活のバッグを持った高校生。




最終バスに駆け込むサラリーマン。




寒いのに短いスカートのお姉さん。




肩を組んで歩くカップル。






バス通り。




無灯火の自転車。




見切り発進のバイク。




道端に手向けられた花。




この前、走った時はなかった。




ここで何があったんだろう。




この花に何人の人が涙したのだろう。






住宅街。




お風呂で数を数える子どもの声。




そして、あっ、これは、、、




いかなごのくぎ煮を炊くにおい。




そんな季節になったんだ。




春だね。




今日はまだ凍えるように寒いけど、




確実に春は近づいて来てるんだね。






最後の信号に来た。




進むのが辛くなると、いつも、




次の信号まで頑張ろう。




信号まで来たら、




もう一つ次の信号まで頑張ろう。




一つ一つ延ばして行く。




でも、いつも最後の信号まで来たら、




ダメになる。




ここから先を越えることができない。




家はそこに見えてるのに遠いんだ。




坂道を上りきった所。




この坂道、いつになったら上りきること出来るようになるんだろ。






いつかわからないけど、上り切りたいよ~!




この坂道!!








あぁ~、何だか少し軽くなったかな。