これ1年近く前の記事ですが、知りませんでしたこのヤバい日本の状況。先日佐世保の地域医療の病院が破産したニュースのリンクにありました。

 

「病院まで1時間なら近い 医師ゼロ地区2000カ所に」と言うニュース。

 


中心地から4Km以内に病院がない「無医地区」なる言葉まであるんですね。

 

 

以下、抜粋:

 

人口減は地方から進んでいる。日本の人口が1億人を切る2050年代半ばは、地方で医療体制の維持が難しい。公共交通機関で1時間以内に行ける診療所がない。こんな地域は今よりも倍増する恐れがある。地方に住む人たちに、持続可能な医療の未来は見えてくるだろうか。

 

 

自宅の近くに病院や診療所が一カ所もない。こんな場所を「無医地区」や「準無医地区」と呼ぶ。「無医」は公共交通などで1時間以内に行ける病院や診療所がない地域が定義だ。

 

 

人口が増えてきた時代は、医師が開業して無医地区を解消してきた。厚生労働省によると、無医と準無医を合わせた「無医地区等」は1994年の1307カ所から2014年には1057カ所まで減った。これが今、逆回転している。

 

人口が急激に減る地域では患者も減り、診療所を維持できない。19年には1084カ所と5年ごとの調査で初めて「無医地区等」が増加に転じ、厚労省が7月に公表した22年概況でも1106カ所に増えた。

 

こうした地区は全国に1741ある市区町村の2割が抱え、大分県はすでに7割超の市町村に存在する。人口減に伴い増えるという前提で試算すると54年には2000カ所を超え、市区町村の4割に無医の地域ができてしまう。

 

へき地医療に詳しい自治医科大の小谷和彦教授は「ローカル鉄道の廃線などで無医に近づく地区は一層増える」と話す。診療所が残っても、そこにたどり着く交通手段が失われる。

 

自治体も手をこまねいているわけではない。福井県はへき地の診療所で医師が不在の時は、県立病院から代診医を派遣している。和歌山県ではへき地の診療所に来た患者の診察に和歌山県立医大などの専門医がオンラインで助言する。利用は14〜22年度に290件に及ぶ。

 

オンラインによる遠隔診療はへき地医療にとって希望の1つだ。人工知能(AI)を使う診療が広がれば、へき地でも高度な医療を受けられるだろう。

人口の1億人割れは患者の総数が減ることも意味する。待ち時間の多い病院に行きやすくなるかと言えばそうでもない。むしろ未来に訪れるのは、今よりも一段と広がる都市と地方の医療格差だ。

 

医学部の新設もあり、医師は増えている。厚労省による20年の見通しでは医師は30年前後に約36万人となった時点で需給が均衡し、その後は過剰になる。

 

余る医師が地方で働くとは限らない。今でも日本は「医師の偏在が強く、(過剰が他に流れる)トリクルダウンは成立していない」(小谷教授)。厚労省の医師偏在指標によると、東京都ですら医師が集まる港区などの「区中央部」と青梅市など「西多摩」では6倍の差がある。

 

医師の偏在を乗り越えようと、岐阜県は郡上市、高山市、白川村の2市1村で医師を共有している。医師は郡上市の白鳥病院に集め、必要なときに各診療所に派遣する。医師が互いに不在を補えるため働き方も改善し、平均年齢が38歳の若い医師たちが活躍する。

 

地方での医療の未来が明るいとは言えない。ドイツやフランスは公的医療保険制度のもとで、診療科別、地域別に定員を設ける仕組みがある。医師の「自由開業」が原則の日本も、地方の病院を維持するための新たな手立てを求められている。

 

医師不足の問題は遠隔診療や人工知能(AI)で一定の部分を解消できる。テクノロジーを妄信するのは禁物だが、2050年代には目の前に医師がいなくても治療を受けられる可能性がある。手術支援ロボットが進歩すれば、地方でも大都市の名医が担うような水準の高い治療をできるかもしれない。医薬品はドローンで届けられる。

ただ看護師が担う日常や術後のケアの部分については人手が必要で、今でも不足が深刻だ。これまではへき地の自治体病院で足りない状況だったが、都市部の病院にも広がってきている。

外国人も各国と取り合いで、しかも看護は介護に比べて言葉のハードルもやや高い。翻訳機器で対応できる可能性はあるが、看護師の給与の引き上げや労働環境の改善を早急に進めて離職を抑える必要がある。給与は将来的に医師並みに高くなることも想定される。

医師数は厚生労働省の推計では30年ごろから供給過剰になるが、医学部の定員をすぐに抑制すべきだとは思わない。救急など負荷の大きい診療科や地方では医師不足が起きており、定員を減らせば事態が悪化することも考えられる。

 

医師よりも看護師の不足の方が深刻のようですね。田舎暮らしは今後はもっと大変になりそうです。

 

しかしね、日本はまだマシかなと思った事がありました。イギリス人の友人が、妊婦がお産しても自然分娩の場合は産んだらすぐ家に帰るとか言ってたと思います(1泊だったかな?)。日本では、昔は1ヶ月入院してましたよね?今は1週間くらいかな?アメリカの72時間で退院すら短いと思ったけど、イギリスはもっと短い。動物並みの扱いだなと思いました。他の治療とか受けるのにも待つ期間がとても長いと言ってました。