毎年この時期になると、日本の友人から「受験だから静かなお正月」みたいな話を聞きます。みんな中学受験の事ですけどね。毎年何人か居ます。みんな高校や大学受験を避けさせたいみたいです。

進学事情は、各国違います。アメリカとスイスには日本のような受験はありませんが、アメリカで大学に入るのは、もっと大変と以前詳しく書いたと思います。

そんな大変なアメリカの大学進学(トップクラスの大学に行こうと思ったらの場合)、入学の為にあらゆる手段を駆使したいと思う人も多いでしょう。まだアメリカに居る時の事ですが、パパが博士号を取った大学(スタンフォード)から、卒業生に宛てた手紙が来ました。

それには、今まで卒業生の子弟は大学へ入る優先権がありましたが(と言っても該当者は15%くらいで最終審査で有利なだけ。もちろん成績よくないと無理)、それはほぼなくなりました。宜しくご理解くださいみたいな内容でした。

卒業生達はずっと寄付を続けて来ている人も居るので「え、子供の入学の優先権がなくなるのなら、もう寄付はしないよ。」と言う人達への理解を求めているのだと思うとパパは言っていました。

この背景には、近年の裕福層の中国人の大量留学があり、スタンフォードに限った事ではなく、全米の大学的にこの傾向があります。

以前も書きましたが、お金が余ってしょうがない超裕福層の中国人達が、こぞってシリコンバレーの高級不動産物件を買いまくり、不動産はとにかく上昇の一途。自分は中国に残ってもその家に子供達を送り、アメリカで学校に行かせるのが、彼らのステータスのようです(アメリカの不動産はどんどんチャイニーズに買い占められてるのは、シリコンバレーに限ってない事でしょうが、私が実際見て来た事を書くとシリコンバレーになります)。

もちろん、彼らは学校にもの凄い寄付金も出すでしょうから、入学の優先権はそっちに移ったとも考えられますね。借金多すぎで、売る物もあんまりないアメリカは教育産業を売るのに必死で、お金で永住権も売ってますからね。これを利用する中国人も多いです。

ただ、もの凄く優秀なチャイニーズ系も多いのは事実です。彼らはとんでもなく勉強します。それに大学に入るのは勉強だけが基準ではなく、コツがあるので専門の人を雇ってその人の指導の元に、いい大学に入れるようにするのです。

シリコンバレーにはスタンフォードの卒業生は腐る程居ますが、その誰もが「今だったら自分は入学できないだろう」と言っています。特にアジア人は。。バークレー卒の友人も同じ事を言っていました。先日Eと話した時も、彼女の友人のスタンフォード卒業生も、みなそう言っていると言ってました。

アメリカの大学は、各民族平等になるように生徒を入れなければいけません。成績順だけで入学させていたら、スタンフォードもアイビーリーグもほぼ全部チャイニーズになってしまうでしょう。

それだと人種的に不均等という事になるので、生徒の割合が民族別で割当てられいるのです。なので有利な人種と不利な人種が生まれますが、これには誰も異議を唱えません。また、同じアジア血統でもアメリカンインディアンは別枠で有利組です。

アジア人にとっては、大学のアジア人枠が優秀なチャイニーズに占められてしまうので、特に激戦の狭き門となり、それは増々悪化する状況にあります。大量の優秀なチャイニーズの為に、アジア人の子供達は白人その他の民族の子達よりずっと成績が良くないといけなくなってきます。

それが分かっているから、アジア人の子供の居ない夫婦が、アジア人じゃなく黒人とメキシコ人の子供をわざわざ引き取ったって、以前書いたと思います。黒人やメキシコ人は失礼ながら優秀な子は少ないので、その人種の入学枠は大空き~で比較的入学しやすいのです。

私の友人のお嬢さんで、優秀な私立の学校でずっとトップで来て、スタンフォードを目指している子がいました。でも、たかが私立1校のトップくらいでは、半分アジア人(日本人)なので、最近はスタンフォードは無理と諦めて来ているようです。今高校2年生です。

カルフォルニアでトップ5くらいに入ってないと、無理なのかもね~。50州あるから。。スポーツや芸術の推薦枠も考えると、SATスコアが全米でトップ250人くらいに入っていれば、アイビーリーグ、スタンフォードには行けるでしょう(テストのスコアだけで決められる訳じゃないとは言え、第一関門は
SATスコア)。。

こんな事情を受けてか、確か来年度からSATの内容が大幅に変わるんじゃなかったかな?チャイニーズが苦手な問題に重きを置くような内容になると聞きましたが、そんなのも家庭教師付けて、ものともしないチャイニーズって気はしますけどね。。

凄い事になってますなぁ。。別にそんなにいい大学に行かなくていいけど、いずれにしろ異常な大学進学戦争に巻き込まれるのは可哀想ね。と、子供の居ない人さえも言ってます。

ただ、本当に優秀な子達(これもチャイニーズ系多し)は、逆に大学離れの傾向にあります。例えば自分で会社を作ったり、シリコンバレーの優良企業と言われている所の幹部に抜擢されたりと、半端なく凄いです。例えば、こんな感じ です。

大学も人生のうちのひとつのツールみたいなもんだから、そんなツールは不必要な人も居れば、学校で学ぶ事が役に立つ人も居れば、単にいい学校の卒業証明が役に立つ人もいるんでしょう。

目的意識無く何となく行くのが一番もったいないし、本人も辛いでしょう。相当苦労しないといい大学に入れないのなら、自分にとって大学に行く意義を増々しっかり考えてからにしなきゃいけない国、アメリカ~のお話でした。