今日も 続きを読みに来てくれてありがとう。本当にうれしいです。
実際に実践ができるものが多いと思います。
私のいままでの実践をどうぞいろいろ見てください。何かヒントになれば、幸いです。
③学校図書館に適した分類とは何か
学校に適した分類というのは、
「古事記」の学校図書館での分類で書いたように、
利用者である児童・生徒が、授業で習ったことに対し、
なるべく矛盾がない(教育課程の展開に寄与している)状態であることを第一とし、
児童・生徒の視点や動線、また授業者の導線を考えられた分類である。
もちろん、日本十進分類法から大きく逸脱してはいけない。
もういちど以下の流れを見て欲しい。
小学校の場合の学びでは『古事記』という教材で
子ども達にどのような動きを求めているのか、がとても大切であり
児童・生徒の視点や動線、授業者の導きたい導線 を
考えたらⒶからⒹの中で
Ⓐ「物語の中の神話913(文学)」
Ⓑ「神話を物語化し、イラストを付けた本E(絵本)」
Ⓒ「神話の図書化の仕方に差はあれ、神話は神話164(神話)」
Ⓓ「歴書書物として、210」
利用者にとって必要としている図書資料がどこにあれば利用しやすいか。
どこにあれば、教育課程の展開に寄与するという目的と合致するか。
児童の考えられる動線
Ⓐ913 ⒷE絵本 の場合・・・「いなばのしろうさぎ」という物語を探す。
または、絵本の書架を探す。
その場合の動線は、物語9類や絵本へ行く。
Ⓒの場合・・・ 教科書では神話と書いてあるから神話164へ行く。
Ⓒは図書館の使い方で習う、神話は1類にあるという部分と合致している。
考えようによっては、日本十進分類法から逸脱しているように見える。
Ⓓ歴史書物として捉えるのであれば、210.3であるが、
教科書で書かれている神話と歴史が結びつかない。(Ⓓは論外)
加えて教育課程の展開を考えた時、教科書の単元には何と書いてあるか。
→「他の神話や昔ばなしを読みましょう」(教科書原文のまま)
神話の排架をすると、
事前にカートなどへ、
昔ばなしや神話を集めておかなくても、
児童の動線は、教授者の導きたい導線、また司書の考えている導線と同調する。
昔ばなしは、
子どもたちがよく利用する絵本の書棚で、分かりやすく排架されている。
昔ばなしは、
絵本の書棚から、
神話は1類164の書棚から、自力で見つけることができる。
わからない子であっても、
「司書、いなばのしろうさぎはどこ?」と尋ねれば、
「いなばのしろうさぎは、教科書になんて書いてあったの?」
「神話って書いてあったよ」
「神話はどこかな?図書館の地図を見みよう」
などの会話から、本が見つけられる。会話する力も付く。
図書館の地図というのは排架図である。
排架図がわからなくても、
棚見出しで0類、1類とあるので児童が、2年生であっても、自力で本を探すことができる。
教育課程の展開に着目し利用者の視点を考えると、
学校図書館での扱いは
古事記の優先順位は、神話>物語>絵本である。
小学生にとって「いなばのしろうさぎ」が古事記に載っている神話と知らなくても、
神話の排架をすることで、そこにある別の神話も読むことができる。
神話は神話で、昔話は民話である。
単純に神話の絵本や、昔ばなし絵本として排架せず、
分けたほうが良いと考え、排架をした。
説明がつくような分類、すなわち、日本十進分類法と照らし合わせた時にも、児童や教諭が納得いくような分類を考えて排架した。
胸焼けするほど何度も古事記について書いているが、実際
日本十進分類法では古事記は全く違う場所へ入る。
しかしながら
教科書で扱われる古事記は言い切ってよい「神話」のみ。
学校に適した分類と言うのは
その本がどのような学びで利用されるのかを第1として考え
児童・生徒の視点や動線、また授業者の導線を考えられた分類である。
主体的な学びが
だれにいわれなくてもこどもがひとりでにできるようになる排架である。