以前スペインのバルセロナに行った事があります。
ガウディの建築物を見学に行ったついでにピカソ美術館へ
立ち寄りました。
勿論そこには本物のピカソの絵が幾つも展示してありました。
元々ピカソは、それ程好きではなく、どちらかと言うと、
ダリの方が好きでした。
でも、滅多に見れないのでピカソ美術館へ足を運んだのです。
（出典：https://allabout.co.jp/gm/gc/51523/photo/1453458/ より）
そこにはピカソの幼少期から晩年にかけての作品やデッサンなどが
展示してありました。
僕としては暇だから行こうか、という様な軽い気持ちで
足を運んだのですが、ピカソの絵を見ているうちに、これは凄い！
と感じる様になってきたのです（笑
あの変なアジのヒラキの様な絵が、
何故素晴らしいのか理解できました。
（出典：https://acrylicrab.com/cubism より）
幼少の頃や少年時代は写実的で非常に精密な絵を書いていたのは
有名ですが、何故晩年は落書きの様な絵になったのか？
また、左右非対称のおかしな顔は一体何なのか？
それが理解できました。
これは本物を目にしなくては分からなかったと思います。
絵に込められた作者の波動を直接読み取る事で、長年疑問だった
妙な絵の謎が解明できたのです（笑
それが理解できる前に、先ず目に飛び込んできたのは
ピカソが8歳の頃に描いたデッサンでした。
そのデッサンに描かれているのは、
街角で働いている老人の顔の絵でした。
私はそのデッサンの老人の顔を見ていると、
描かれた顔から人生の喜びや悲しみ、何十年も生きてきた
男の人生を感じたのでした。
かなり驚きました。
「たかが8歳の小僧が何故人の人生を描けるのか？」
私は8歳の少年が描いたという事が信じられませんでした。
子供は純粋だから感受性も強いのは理解できますが、
信じられない想いでした(^^;)
正に神童と言われただけの事はあると感動を覚えました。
しかし、歳を追うにつれて徐々に彼の絵は崩れた変な絵に
移行していくのです。
人の顔が何故非対称で描かれたり、
椅子と人が融合してしまっていたり、
犬が幼稚園児の落書きになっていたり・・・。
この落書きの様な絵も、何度もパーツパーツを下書きして、
徐々に変な絵にしていくのです。
パーツパーツのラフは普通の人の顔だったりしているのですが、
最終的には融合された様な奇妙な奇怪な作品になっています。
（出典：https://www.love-voyage.com/entry/2017/09/22/175630 より）
その製作過程も展示されていて、私はそれを見ていると
彼が一体何を表現しようとしているのかが分かりました。
これは彼が物を描くとき、
「場を一つ」
として認識していた為なのです。
否、それを
具体的に描こうとしていたという方が正しいです。
その苦悩がヒシヒシと伝わってくる。
椅子と人、机、部屋、これが彼には全て一つなのです。
部屋にあるもの一つ一つが個別ではないんです。
我々は皆、目に入る対象物を「一つずつ」と認識しますが、
彼は違ったのです。
部屋を描く時、彼にはその中にある全ての物が
「一 つの場」として捉えていたのです。
頭に入ったその空間は、一つのイメージとなって映っています。
それを絵として表現しようとしたのですね。
人の顔が左右ちぐはぐなのは
右から見る顔、
左から見る顔、
あらゆる角度からの顏、
彼にとっては全て一つなのです。
彼の脳は世界を三次元的には捉えておらず、
五次元的に捉えていたのです。
これはもう悟りの境地です。
「自他非分離」
という世界観です。
「禅」や「武道」の観の世界でもあります。
正に彼は天才です。
しかし、その苦悩は計り知れませんね・・・。
フィゲラスと言う田舎町にはダリ博物館があります。
バルセロナから電車で約1 時間掛けて行くのですが、
そこはスペイン語も通じない片田舎。
そこで私はダリも見ました。
絵としてはダリの方が好きなのですが、やはりピカソ のレベルには達していないし質も違いました。
ただ彼も自分の頭の中にある変態的な想像を何とか絵にしたいと
思ったのは感じられました(^^;)
元々ダリはホモでマゾだったのであの絵のセンスを持っていたのは
頷けますね（笑
その点では彼も亦天才でなのでしょう（笑