今回は前回紹介した「お勉強しといてよ」の2番の歌詞考察になります。


長くなりますがお付き合いください。






(今日どうしよ?)も

前向きに(何時までだっけ?)すら

聞き返せない 危ないから

健康でいたい せめて

結局ここまで 気持ち

育てられてしまったことが 全て

謙遜してるけど 病みたくないから

此処で いって




彼との会話のやりとりが不自由な様子がここから読み取れますね。


「危ない」とは「彼の言動によって自分が傷つく可能性がある」ことを暗示しています。


彼女は彼によって自分が傷つくことを極端に恐れているため、思い切った行動や言動が出来ず現状維持に甘えているのでしょう。


病んでしまうほど彼への気持ちが育てられてしまったことを意識しつつ、それでも「健康でいたい」のです。







去年の思い出 お洗濯したって 相変わらず

乾かないや 寒がりな季節に

ぁ~勿体ぶっていいから 個のまんま

焼き焼きだ 押し潰される無敵め

褒めあいライム・合図 変わらず

乾かないや 強がりな季節に

ぁ~勿体ぶっていいから 子のまんま

ヤンキーヤンキーだ 現状維持の無敵め

うおおおおお



1番Bメロでは「昨日の思い出」だったのが今度は「去年の思い出」となっています。


彼女の想いは昨日今日始まったものではなく、去年の思い出さえも彼女の心を蝕む存在なのでしょう。


消し去りたい過去を忘れることが出来ずにずっと考え続けてしまうのです。


「このまんま」にあてられる「狐」、「個」、「子」という漢字には「ひとり」という意味や「成長しない(子のまんま)」という意味が込められているように思えますね。


1番の歌詞にもありましたが「ライム」は音楽用語で「韻を踏む」という意味で、「お勉強しといてよ」の歌詞の端々に多用されています。







私を少しでも 想う弱さが

君を苦しめていますように

それすらも しょうがないって思えるほど

同じくらい 浸ってくれていますように

私を少しでも 想う強さが

君を悩ませていますように

答えを犠牲にしたって 傷つけたって

しょうがないって イタいって

明るいみたいだね






私が君を想うつらさを君にも同じように味わっていてほしい・・・つまり彼に愛されたいという気持ちが込められています。


「しょうがない」はAメロの歌詞にも出てきた言葉ですが、彼が彼女と同じ心境になってくれることを願っているのが強く表れていますね。


彼の答えを求めることによって、二人の関係性に傷が付いても「しょうがない」と思えるのは明るい女みたいだと、皮肉混じりにも思えます。


天の邪鬼な彼女は明るくさっぱりした人間になりたくても、やっぱりそうはなりたくないという複雑な気持ちを抱え続けています。








不安定なこと 選んで

今日の歌だって 変わってゆくなら

お互いにとっても 素敵なことなの?

今はこれしか、聞けなくて、。

集めちゃった感情参考書です。

お勉強しといてよ 問い説いてよ?


BE BE BE BE BE 勉




無敵な現状維持を壊すことは彼女にとっては「不安定なこと」。


でも二人の関係が変わることはもしかしたら「素敵なことなの?」と問います。


ここでは現状維持の「無敵」と不安定なことの「素敵」で韻が踏まれていますね。


彼女は素敵なことを望んでいますが、やっぱり「今はこれしか、聞けなくて」とためらっています。


でも、「今は」という言葉にいつか前進しようという気持ちがのぞいているようにも思えて、彼女はいずれきちんと彼と向き合うことを選ぶのではないかなと思います。









大好きな人への気持ちを打ち明けるのはかなり勇気のいるものです。


打ち明けることによって関係がこわれてしまうくらいなら、「今のままでいい」と思ってしまうのは大人になってもありますよね。


そんな繊細な恋心と自分を強く保ちたいと思う気持ちとの間で揺れている彼女の悲痛な想いが彼に対する「お勉強しといてよ」という言葉になるのです。


彼女の気持ちを集めた感情参考書はいつか彼の手に渡ることがあるのでしょうか。


どうか二人の関係が良い方向に進んで、素敵で無敵な関係になってほしいですね。


 


というわけで、今回は以上です。


ご一読ありがとうございました。