地域バレエフェスティバルへ向けて小杉バレエ教室では
マスク・デ・ボール
のリハーサルがスタート。

ジーモンの特訓で鍛えられたボーイズたち、
とりわけ翔の磨き上げられたテクニックに驚く女子生徒たち。

私たちも負けてられないわよ!

と奮起。
今やスクール全体がやる気に満ち溢れていた。

あなたのおかげよ、ジーモン。

いやいや、今日子先生。
私はただ、友達を紹介しただけなんです。
リノリウムという愛すべき友達をね。

ちょっと何言ってるか分かんない、という気持ちを抑える今日子先生。

まあとりあえず、これからもよろしくね。

はい!リハーサルも僕に任せて下さい!

練習は順調に進んでいった。

シュトラウス役、という重要な役を任された翔も、その重圧を物ともせず、振りつけを完璧にこなした。

踊りを純粋に楽しんでいる上に、お前の踊りと音楽は見事なまでにピッタリハマっている。
まるでお前が音楽を奏でているようだ!
まさにシュトラウスそのもの!
翔にこの役を任せて、本当に正解だったよ!

そう確信するジーモン。

このままいけばフェスティバルで優秀賞を獲得することも夢ではない、はずだった。

事件は本番の1週間前に起こった。

翔は役に入り込んでいた。
俺はシュトラウス、そしてここは舞踏会!
実際今自分がいるのはそう広く無い稽古場、ということさえ忘れ、思いっきり助走をつけレインボーソデバスクを決めにかかる、とその時!

ゴン!

と鈍い音。

気づくと翔は病院の中にいた。

目が覚めたかね?

目の前にいたのは知らないおじさんだった。

この人は、、誰?
もしかして俺、、記憶を無くした?

と思いきや、初めてあった人だった。
知らなくて当然。
お医者さんだった。

翔は助走に向けて後ろに下がる時に稽古場の柱に後頭部をぶつけたのだった。
記憶喪失になる程の大怪我では無かったが、1週間は大事をとって休むべき、という診断だった。

そ、そんな、、

愕然とする翔。
それは他のスクール生も同じだった。

翔は俺たちのエース、エトワールなんだ!
あいつ抜きの俺らなんか、卵抜きのオムライスみたいなモンじゃねえかよ、、
ただのチキンライスじゃねえかよ、、

そんな不穏な空気を払拭したのはあねごこと、小沢花苗。

チキンライスでいいじゃない!
私たちで最高のチキンライスを作るのよ!

そうだ、確かにチキンライスは何かが足りない感が否めない。
しかし一概にチキンライスと言っても上手いチキンライスは本当に上手い!
チキンライス専門店だってあるこのご時世だ!
胸を張れ!みんな!

とジーモンが続く。

今日子先生は、果たしてフォローになっているのか、そしてチキンライスに引っ張られすぎではないのか、と心配になるものの、生徒たちはすっかりやる気を取り戻し、安心するのであった。

翔がいなくたって、俺たちが1つになればすごい作品ができるってところをシューテイツの奴らにも見せつけてやろうぜ!

イェス!チキンライス!



そのシューテイツバレエスクールはというと、エリート揃いというだけあり、
くるみ割り人形より、花のワルツ
を見事に完成させていた。

あとはソリスト、我森を待つだけだな!

そう、天才ジャンパー我森は未だに、日本ダンス界の第1人者、樺島エイジと個人トレーニングに明け暮れていた。

俺にはテクニックがない。綺麗なラインも。
そう、俺にはジャンプしかないんだ、、

シャンジュマン、あと1000回!
だめだ!低い!
プリエをもっと踏め!
今のジャンプじゃ跳び箱3段も飛び越えられないぞ!

はい!
俺は跳びます!
東京タワーのてっぺんまで跳んでみせます!

甘い!!!
お前の目指すべきは東京スカイツリーのてっぺんだ!いいな!

はい!


本番まであと5日、
我森がついにスクールにやってきた!

先生、待たせてしまいすみませんでした。
これが俺が樺島先生と作り上げた
東京スカイジャンプです!

そう言って教室の天井スレスレの特大ダブルトゥールを決めた。

た、たかい、、
唖然とする一同。

みんな!まだ油断はできないぞ!
気を引き締めてあと4日、仕上げにかかるぞ!

はい!!

翔、、お前との闘い、楽しみにしてるぞ、、

そう不気味に微笑む我森であった。



次回予告
俺は何とか練習を再開するも、まだ本調子では無い状態。
そんな中始まったフェスティバル。
我森くんの東京スカイジャンプを前に動揺する俺たち。彼らに勝つためにはやっぱり俺のレインボーソデバスクが必要なのか、、
果たして勝負の行方は、、?!

次回 「開幕!地域フェスティバル」

明日に向かって、アンドゥトロワ!