S side












「あのさ、カズに…ずっと思ってたことがあるんだけど、…聞いてもいい?」
「いま?」
「うん…。」


カズのまーるく開かれた目元にキスを落とす。その刺激にカズは片目をつぶり、そのまま上目遣いで俺を見た。




「あのさ、カズが姫宮って呼ばれてんのは…知ってる?」
「あー、アレね。ファンの皆さんが呼んでるやつでしょ?」
「本当にそう思ってる?」
「なんでよ。それ以外に何かあった?」
「あー、…ほら、衣装でスカート系担当してたりとか。…それって、スタッフの中にも姫宮好きが居るんだって考えなかった?」

「…まぁ、…居るだろうね。オレの足、結構評判良かったから。」




なんだよ、自覚ありかよ。
まあ、そりゃそっか。

普段から四季のうち3季節くらいは短パン履いてんだし、自分の足に野郎共の視線が集まってる事くらい、感じてるってことだよな。



でも、俺はそれが嫌だった。



ニノは見せ物じゃない。それを見て喜んでいるであろうスタッフ達の目が、特に。かと言って俺も、ニノの女性的な衣装にはすごく惹かれていたところもあり……。


俺がしゃしゃり出て何かを言うことも出来ず、しかも、俺はタダのメンバーなわけだし、今みたいな彼氏っていう関係でもないし。複雑な心境だったな、あの頃の俺。






「でもさ……、翔さんの足の方がキレイじゃん。」
「ぶはっ 汚ねーだろ。掻きむしりで血とか出してんだぞ。」
「くすくす。それはそーだけど。足がさ、翔さんの場合、異常に長いじゃん。腕とかも長いし。なんなら腕まくりした時とか血管浮き立てたりしてて、異常にハマってるよね、カッコ良さが。」




はっ?

何それ。

カズ、そんな事思っててくれてたの?



「ファンの子達はさ、翔さんの腕筋とか見てかなり興奮してるって」
「なにそれ(笑)」
「モグライ、筋ライ、…色々呼び方あるよ。」
「で、その話をしながら、なんでカズの唇は不満タラタラな形をしてるんだ?」



嫉妬?
カズがファンの子達に妬いてるってこと?




「でも、俺の長い足を絡ませられるのも、俺の腕で掻き抱けるのもカズだけなんだけど。それに…」
「…っ、、」




重なった2人の熱。
軽く腰をクンっとあてがった。




「俺の事、満足させてくれるのはカズしかいないだろ?」
「最近ではオレに似てる人も居ますけど。」
「それは論外。雰囲気だって言葉使いだって全然違うし、例えば向こうがその気でも俺は出来ないよ。」
「なにそれ。…なんか、オレが振られてるみたいになってんじゃん。」



マジでそれ。
ホントに可愛いんだって。



声が尖ってて
カズの気持ちが真っ直ぐに伝わってくる。
こんな感じのカズの俺への嫉妬は、俺のカズへの気持ちを爆発させる。安心させたいし、愛したくて堪らなくなる。



『好きだ』なんて言葉が陳腐に聞こえ出した俺らの年齢。でも、好きから伝えなければ他に何を伝えられるっていうんだろう。

相手を愛したいなら、まずは、自分の気持ちを伝えるところが始まりなのではないか。




カズの不貞腐れたような上唇を
ペロリと舐めてゆっくりと舌を絡める。
とろとろに溶かすように重ね合い
疑似のソレのように擦り合わせた。



「ふふっ 翔さん……っ」
「カズ、好きだよ。」



目を丸くさせるカズの瞼に
唇を当てるだけのキスをする。



「お姫様を抱くようにカズを抱こうと思ったけど、俺もう限界だわ。」
「ふふっ オレなんかとっくに限界です。」
「そぉ? 余裕で喋ってたじゃん。」
「喋ってないと苦しいから。」
「ごめん。どこうか?」
「違うよ。……ずっと切ないの。オレの奥が。……でも今日の翔さん、変なスイッチ入ってるみたいでなかなか抱いてくれないし…」




好きだわ…その表情。
うるうるの上目遣いで見上げてくるとかさ、
もう、待てないんだよな。そんな必殺カズの可愛い攻撃を仕掛けてくるなんて。



「ごめん。俺が、カズをカッコ良く抱きたかっただけ。」
「なんでよ。」
「んー、意識してんのかも。夢ん中の俺を。」
「そんなの、翔さんが1番カッコイイに決まってるのに。」




本当に?
向こうの俺に惚れてるってことは無い?



あれ……?


俺もやっぱり妬いてんのか。




「ね、もう限界なんじゃないの?オレのこと、…抱いてくれないの?」




カズがモゾモゾと体を揺らすと両膝を立て出して、バスタオルに隠れていた両太ももが顕になった。



「ね、翔さんは、スカートの女の子がお好みなの?」
「違う違う。え、何でそーなった?」
「じゃあ、オレの足に興奮するの?」
「……興奮…する。」
「ふふっ  変態。」



あ、機嫌直った。



じゃあと、開かれたカズの内腿へするりと手のひらを忍び込ませ、その柔らかな肌を滑らかに堪能する。

手のひらに吸い付くカズの肌。

本当は誰にも見せたくない。
けど、…需要があるのは確かで。



「あのさ、オレたちは見られてなんぼの仕事してるじゃん?でも、ここを触れるのは翔さんだけだよ?夢の中の翔さんだってオレのここには触れない。」
「うん。…わかってる。」
「だから、…翔さんも夢の中のオレがここに現れても、絶対に…」
「しないって。……今日それ何回目?」
「ふふっ だって…。」



それだけ俺たちはお互いを好きで
この気持ちのまま相手を目にしたら
もしかしたら……って
心配しあったところで
何にもなんないよな。










甘えたニノちゃん、ほんとかわゆす(*´ω`*)
翔さん、一気にやっておしまいっ!щ(゚Д゚щ)カモン!




続きは
ウキウキウォッチの12時( *´艸`)