N side







もうこうなったら、
エロ禁止にしようかな。


だって見てよ、この画角。


オレの視界、完全に犬よ?
オレの目の高さ
完全に犬仕様の高さなのよ?




オレはソファから起き上がって
周りを見渡した。

見渡しても位置はソファの高さから数cmしか変わらないソレで。明らかに今の時間 寝てるよね、現実世界のオレ。



てことは、この夢の世界のオレは今、
もしかしてあっちに行ってんの?


ダメダメダメ。


オレの隣りには、色気ダダ漏れの、今まさにオレを抱いた裸の翔さんが寝てるわけで。なんならオレを横抱きしてんじゃない?その格好のままで。





ぶんぶんと首を振る。


やだよ。だめ。絶対だめ!
だから何度もやめてって言ったのに
翔さん、その度にどんどん雄度が増していくんだもん。



と、ふと
ソファの下を見ると
リビングのラグの上に1つの大きな塊。

いや、よく見るとそれは…


翔さんと相葉さん?!

てか寝ながら抱き合ってるし
相葉さんの足は翔さんに絡まってるし…。


や、ここの世界線、
二人の関係ってこれなの?

これが世に言う『櫻葉』ってやつ?


試しに『わふっ』と鳴いてみた。
2人が起きた時、気持ちよかったねとか
もっとしたい、とか
Kissからはじめよう的な話をしだしたら
それはもう二人の関係は確定でしょ。



「わふっ!わふっ!!」
「んー…」
「…ニノ?腹減ったの…?」




櫻葉の2人が目をしばしばさせて
今まさに起きようと…



「うおっ」
「翔ちゃっ え?!」
「ちょちょちょ、待って、痛い、相葉くんの足、痛い、」
「あ、ごめん、俺いま力入っちゃって」
「すげーバカ力なのよ、足なのに。」
「くふふふっ だって俺まだキック続けてるかんね。」


え。
会話?


寝ながら会話してるよこの2人。


じゃあ、本当に櫻葉なの?
そうなのね?










「てか俺ら、なんでこんなくっついてんの?」
「くふふふっ 知らない。翔ちゃんが俺に引っ付いてきたんでしょ?」
「ぶはっ 違うわ。どー見ても相葉くんでしょ。俺の足、相葉くんのすね毛でジョリ痛なんだけどw」



それっと2人は離れて、また笑ってる。
『なんだこれ』とか言いながら。


てことは二人の関係は
世に言う『櫻葉』では…ない。てこと?



「わふっ」
「あ、ニノ、ごめん、俺寝ちゃってさ。」
「え。…翔ちゃん、やっぱりこの子の名前『ニノ』なんじゃん!え?そうなんだよね?!やっぱり『ニノ』って付けたの?!」
やっべーー



ちっさ。
声、ちっさ。


いくらなんでもバレ方が酷い。
相手は相葉さんよ?

絶対にからかわれるじゃん。




「ぐすっ  」



は?


泣いてる?
この人、泣いてんの?



「翔ちゃん、やっと素直になれたんだね。」
「相葉くん…」



しんみりだし。


相葉さんも翔さんも
なんだかすごいしんみりしてる。




「だって、翔ちゃん絶対に認めなかったじゃん。ニノの事好きだって。」
「…そりゃあ、…まあ。…メンバーだし。ニノの好きな人は…」
「…うん。」


オレ?
オレ、誰か好きな人がいるの?


もしかしてだけど、
やっぱ、…あの人、なの?




「だとしたら、余計、翔ちゃんには頑張ってもらわないと。」
「相葉くん…。」
「これは、翔ちゃんの為でもあり、俺の為でもあるから。ね、だから頑張ろ?」
「…でも、前にも言ったけど、……俺が頑張ったところでニノの気持ちは変わらない、…と、…思う気がする。」
「変わらない気がするのは翔ちゃんだけで、俺の気持ちは『変わる』方なんだからいいのっ」




独特なのよ。
相葉さんの励まし方。


でも、ありがたいよ。


こうして翔さんを鼓舞してくれないと
この人は自分から動かないから。絶対に。

オレの時だって…





「そうと決まれば早速特訓だ!」
「は? なにを?」
「相葉雅紀特性 ニノちゃんの大好きな 生姜焼きを、今から翔ちゃんに伝授します。」
「今から?!」
「そ、だって俺、そのために来たんだもん。」
「や、だって材料とか…」
「全然今からでも行けんじゃん。あっこのスーパー。」


確かに。
今はまだ午後の4時。


お酒飲んで寝たからか
2人ともどこかしらシュッとしてるし
だいぶアルコールも抜けたんだろうね。





「まあ、行けるけど。こんな真昼間だから。」
「そうと決まれば話が早い。ね、行こ?ほら、早くさっ」
「ちょ、ちょ、待って。わかったから。」



腕を引かれ
スウェット姿の翔さんが
スタイリッシュに決めた普段着の相葉さんに連れて行かれる。


で、オレは?


それに、向こうのオレは?



「わふっ!」

「あ、ニノ。」
「ニノちゃんはお留守番ね?」
「でもまだ1人にさせたことないから。」
「じゃあ、今日がお留守番デビューだね!ニノちゃん、お留守番よろしくね!」



グギギッと音がするように片目をつぶり
相葉さんの中では出来たであろう素敵なウィンクをしてくれた。



そして
アレよアレよという間に
翔さんは相葉さんに連れ去られた。











自宅でまったりの(*´д`*)ハァハァ




次は
ウキウキウォッチの12時( *´艸`)