S side









ベッドの上で、およそロマンチックな キ スとは程遠い俺達の キ スは、互いの 唇 を求めれば求めるほどにさらに熱く、潤の 唇 と触れ合う心地良さに俺の体の奥底からは、ズクズクと何かが湧き上がってきていた。



はあはあと息を切らして
絡 み つくように背中を 撫 で回し
時には俺から逃げられないようにと、潤の両頬を挟んでから、その 濡 れに濡れた 唇 に何度も啄む。

その紅く柔らかな 膨 らみを確認するかのように、時にはゆっくりと潤の 下 唇に吸い付いた。






潤…


俺はさ、自分でもこんなに歯止めが効かなくなるほどお前のことが好きで困ってんだよ。



なあ、どうしたらいい?






お前に 抱 かれるとか、正直怖ぇ。
かと言ってこのままにしたら
お前は俺に触れなくなるどころか
きっと、俺を遠ざけてお前の視界に入れなくするんだろ?





なあ、潤…



俺のこと
避けてくれんな…。







重なる潤の 唇 の柔らかさは
背筋をゾクゾクと痺れさせる。




昨日知ってしまったお前のその表情さえも、もう俺は自分だけのものにしたくなっている。



余裕なんか
はなからねーんだよ。






ベッドの上で
時には俺が潤の上に重なりながら
荒く弾む 吐 息に更に 煽 られ

少しだけ汗ばむ潤の白い首筋に
ゆっくりと、唇を当ててみた。



「んっ…」
「潤…、感じる?」
「なんか、…くすぐったい」
「ふふっ くすぐってーのかよ…」




くすぐったいってことは
やめろって事だよな。

どっかの何かで見たようなやり方で
自分が今やってる事とか、様になってなければすんげー似合ってないのもわかってる。下手なんだとも思うし。



だって愛 撫 とかやったことねーし
………知らねーもん。




その…、女の扱い方とか
ましてや男の扱い方なんて
全然わかんねーし。


スマホで調べたにしたって
実際、潤に触れてるだけで俺の体がズクズクしてきててやべーのに、これでもっとすんげーことしたらさ、きっとスグに爆発する。



びゅるるーとか
昨日みたいに俺だけ
速攻で出したくはない。

焦る気持ちから今まで気づかなかったのは
俺の太ももに当たってる潤のソレで。



「潤…、ここ。」
「翔くんのキスがすごいから…」



ドキッとした。

見下ろした潤の
恥ずかしそうに微笑む顔が
やけにカッコイイと言うか。




「オレ、…我慢したかったのに」
「うん。……ごめんな。」
「翔くん…」



切なそうに歪む目が
俺の胸に突き刺さる。



……だよな。




ここまでしといて
それでもやっぱり怖いからって
お前に全てをさらけ出すのは
俺はさ、まだ無理なんだわ。




潤はそれをわかってるからこそ
距離を置こうとしてたんだし。



………冷静になって見ると
俺は一体何やってんだろうって

ガキだな俺って潤の隣りに寝転んだ。




ギシッと弾むベッド。




「翔くん…?」




勢い余った俺の行動で
またしても昨日の二の舞いになるところだった。





「ごめんな、潤。」
「なんで謝るの?」
「いや。お前が我慢してることを、俺が無理矢理さ…」

言い淀む俺を、肩肘をついて少しだけ体を起こした潤が見つめる。その口元はキスの名残りからか、まだしっとりと濡れていた。







ーーーコンコン


その時、潤の部屋に
ノック音が響いた。



ガチャりと開いたドア。




『潤〜ん。…おっ。
……あのさ、…お姉ちゃん、バイト行ってくるからね。…翔くんも、ごゆっくり♡♡♡』




潤の姉ちゃんが
やけにニヤニヤしながら出かけて行った。










そらニヤニヤしますわな(▼ω▼)キランッ