M side








ドアの前、インターフォンを押すと
少しだけ口の尖ったリーダーが出てきた。


「おう。来たな。」




リーダーはドアを全部開けてはくれなかった。

なんならその場から動かないし
俺を家ん中には通したくないらしい。




「ごめん、翔さんいるんでしょ?」
「いるけど。どうすんだ。」


細く開けたドアの隙間から
尖った唇が見える。



「え?…そりゃ、連れて帰るよ。」
「どこに。」
「どこって、まあ、取り敢えずはうちに。」
「…だからお前に翔くんを任せらんねーんだよ。もう帰れ。しっしっ」
「え、ちょ、」





リーダーが閉めようとしたドアの隙間に
自分のつま足を突っ込んだ。



「なんだよ。」



不機嫌そうな声が
ヤケに俺を苛立たせる。


ってか、なんでこんな仕打ちなわけ?



「待ってよ。リーダーが何でそんなに怒ってんのか意味わかんねーんだけど。」
「そんなの…あれだよ…。」
「あれって何。」
「翔くんが可愛そうだからだよ。」




一瞬考えた様子のリーダーが
また、ぶっきらぼうに答えた。



翔くんが可愛そう?
翔さんが、…可愛そうなの?



ドアと壁をガシッと掴み
中に割って入るように体をねじ込む。




「取り敢えず、中に入らせてよ。こんなとこ写真でも撮られたら困るじゃん。」



負けじとリーダーが俺の体を
押し出そうとして



「ここ、にはっ 誰も入れねーよっ」
「…知ってるけど。でも、頼むよ、リーダー。」



グーテンモルゲンばりに懇願してリーダーを見ると、俺を押し出そうとしてた力を緩めた。


結局、いつもこうやって折れてくれるのはリーダーの方で、諦めたふりをしてドアを開けてくれた。



「………ちょっとだけだぞ。」
「ありがとう」


玄関で足元をもたつかせ

脱いだブーツが倒れたけど
そのままリビングへと急ぐ。



さっきの写真だと
翔さんがソファの上で寝転がってた。

てことは、
リーダーなら翔さんの事を動かせないはず。
寝てる翔さんは結構重いからね。






焦る気持ちでリビングのドアを勢いよく開けた。




リーダーんちのリビングは広くて
ドア前からだとソファの上が見えない。



いつもなら先にコートを脱いで
キッチン横のゲストスペースに掛けるんだけど、今日はそのまま通り過ぎた。





「翔さんっ?」



駆け足で駆け寄ったソファ横、
上から覗くと


こんもりと毛布にくるまった
翔さんが、いた。








翔くん、狙わてるよ、鶏に♡(爆)