M side











タクシーの中、通り過ぎるネオンの光と人の波を横目に、最近の翔さんのことを考えていた。



別段変わった様子もなくて…



テレビ番組の収録も
雑誌のインタビューもグラビアも
俺たちが共に過ごす現場では
別段変わった様子はなかった…はず。




じゃあ、何を見落としてた?




さっきだって、俺が久しぶりにアイツらと会う約束をしてて翔さんとは過ごせない事を伝えると『じゃあ、駐車場まで』なんて、楽屋からは一緒に出たし



なんなら収録の合間にトイレに行くふりして
二人でやっちゃったからね
キスを。




それに、セットの裏の死角。
特に誰も気づかないんだよ
俺達がそこにいても。



俺から翔さんを誘った。
行こうって。



翔さんだって
嫌な素振りはしていなかったはず。





『気づかれたらどうすんだよ。』
『きづかないよ、誰も。嫌なの?』
『バカ。嫌とかじゃねーけど』
『ねーけど、…なに。』
『集中できねーって言うか。』
『ふっ。集中ね、させてあげるよ。大丈夫。俺に任せて。』




頭に浮かぶのは、
セット裏での翔さんとのやりとり。


もちろん、前回の収録用セットだから
スタッフはもちろん、人っ子一人来ない裏の裏。だからここに来たんだ、って言って。






スタッフ達は次のセットを早く作り上げなければって、遠くでカンコンと集中して仕事している。メンバーも楽屋行ったり、トイレに行ったり思い思いに行動してるはず。







でも…



さっきの写真。



あそこまで泥酔してる翔さんを
久しぶりに見た気がする。

いつだったか、俺らのコンサートで
俺が色々と言われてた時に、俺の代わりに悔しがってビールとか日本酒とか、ガンガンかっこんでた日があった。




じゃあ、今回も…
もしかして俺のことで…とかなの?






だからって
あんな翔さんの無防備な姿とか
リーダーに撮らせんなよ。


なんなら俺は二人の関係ってやつ
知ってるからね。





でもそれは、俺と翔さんが別れてた時の関係で、今は…、今はきっとそんな関係ではないはず。


………多分。







「お客さん、着きましたよ」



ため息を一つ吐き
金を払う。



タクシーから降りると
夜風が頬を引き裂いていく。


あまりの寒さに肩をすぼませながら
翔さんのいる


リーダーのマンションへと入って行った。











スカーフの色ね♡(・∀・)ニヤニヤ
そんなに好きかね、翔さんのことが♡