入院初日。

付き添いは一人までということで母と二人で病院へ。荷物はスーツケース一つ。


到着後、事務手続きを済ませ、病棟へ向かうエレベータに乗る。

コロナの影響で、家族も病室には入れないため、病室手前の病棟の入り口でお別れ。

お別れ手前のエレベーターの中。

「変わってあげらればなぁ」

母の一言。見ると泣いている。

母親も私もお互いの前で泣いた姿は見せなかった。
堪えていたのが溢れてしまった。

「そんなこと言わないで。大丈夫だから、手術すれば大丈夫だから。」
私も泣きながら言った。
病棟の入り口で、そう言って、恐らく大人になってから初めてであろうハグをした。

人は病気を選べない。
病気になんて誰もなりたくない。
でもなってしまう。
病気になったら自分だけでなく周りの家族や友達も不安にさせてしまう。

病気は自分だけの問題ではない。
今回改めて痛感した。


今のところ元気な人もいつ病気になるかは誰にも分からない。
だから、せめても、せめて少しでも病気が軽いうちに病院に行き、悪化する前に病気に気づけることで、病気になった本人も周りの人の不安な気持ちを少しでも減らせると思った。

私は今回、たまたま喉の異変を感じたため(それが甲状腺癌と関連していたのかは不明)すぐに病院に行ったが、なければ健康診断で指摘を受けても、きっと病院にはすぐに行かなかった。
きっかけは何にしろ、ほんの少しでも早く見つかったことは幸いだった。

もしこれを読んでいただいた方の中で、少しでも少しでも自分の体で異変を感じることがあるなら(又は周りの方にいらしたら)、病院に行っていていただくことを強くおすすめします。
検査結果が問題ないのであればそれはそれで安心できるし、検査結果が良くなくても少しでも早めに病気に気づけることで、将来が変わるのではないかと思います。


お母さん、ありがとう。

もちろん手術は不安だけど、でも早く健康になって家に帰るから頑張るね。


母と別れ、看護師さんに案内されたベットに行く。
私は追加料金なしの4人部屋を選んだ。
部屋には40-80代の女性の方3人。
病名は分からないが、入院している病院は癌に特化した病院のため、同じ癌なのだろう。


ベットを見て、実感した。
あぁやはり私は病気なのだと。
今まで先生から診察結果や手術の話は散々聞いた。
でも何故か他人の話を聞いているような気でいた。
病室に入り、自分の名前が書かれた札を見て、
あぁこれは私の話なのだと、実感した。

私は今まで一度も病気をしたことがない。
初めての入院。
コロナ禍もあり、面会も外出もできない。


不安でたまらない、でも手術しない限り、家には帰れない。



なんとかして乗り切るしかない!



この日は友達に電話し気持ちを落ち着かせ、眠りについた。