少年法の改正でもめるシーンの朝ドラ『虎に翼』ですが、
今日、成人の18歳からと投票権の18歳からが改正されました。
戦後の混乱期は少年(男女含めて本来は少年です)の非行が顕著でした。
「戦前の天皇制を謳う『修身』だ」として〇共組合教師を中心に『道徳』授業はボイコットされてきました。
私が教員として赴任した平成当時も、中学生が学校でタバコを吸っていました。
新任女教師が男子生徒に襲われるとか、女子中学生の妊娠もありました。相手は男子中学生です。
今は大人でも喫煙はごく少数派です。
中学生がバイクで暴走するのは当たり前で、バタフライナイフを所持することが問題になった時期です。
当時銃刀法が話題になります。
1988年女子高生コンクリート詰め事件や1997年酒鬼原事件など、青少年の事件のたびに、その原因は常に学校の元担任、教師に批判が向けられました。
刑事処分可能年齢が16歳から14歳に引き下げられたのは、かなり遅く2000年からです。
触法行為として14歳から逮捕できると同時に、『心の教育』が学校現場で実施されました。
少年法の厳罰化は、学校現場としてはむしろ歓迎していました。
『未成年は何をしても逮捕されない』
という聖域がむしろ少年たちの暴走を許していました。
それら少年・未成年と日々向き合うのは学校現場の教師たちです。
放課後、親が帰宅するまで学校に拘束しろと、全員部活動として放課後勤務時間を超えても教師は部活動に従事してきました。
土日も部活動。
部活動を通じて生徒が心身ともに鍛えられ、生徒と教師の信頼関係が築かれるという極論がまかり通っていました。
確かに佐田寅子の姿勢は無責任です。
『虎に翼』佐田寅子に意見する調査官の音羽
星朋一の意見はもっともです。
寅子世代の責任に共感する星朋一
行政のしわ寄せは、官僚だけでなく教育現場にも来ます。
少年法の改正は当然で、選挙権の引き下げで若い人たちの選挙への関心を高めようとすれば、当然刑法への認識も低年齢からで、自然な流れです。
戦後改革の理想論は幕末から明治をむかえた高揚感にも似ています。
理想は時として漠然とした夢想に陥ります。
時間とともに現実に収れんしていきます。
『虎に翼』で何度か繰り返されるこの場面。
そのたびに私の母のアルバムに貼られた一枚の写真とだぶります。
戦後、軍国主義から解放された時代。
女学校にも自由を謳歌する空気が満ちていました。
アプレゲール。
その人たちが築こうとした日本は、
大きく変わろうとしています。