山形市にある東北芸術工科大学の卒業制作展が開かれています。
卒業制作展。
学生時代の学びの集大成であるとともに、
社会人としてそれぞれの道を進む若者たちの、借別の詩(うた)です。
ずっと描いていきたい…そう思っても描き続ける人は極めてまれです。
時間がない、心にゆとりがない、場所がない、お金がない…
いろんな理由があるでしょう。
しかし、一番の理由は、あふれ出る得体のしれない混沌とした思いなのかもしれません。
以下おもに日本画・洋画・版画会場より。
キャプションにつづられたことば。
Oさん
「目の前に運ばれてきたお肉は光輝いて見え、それはもう、涙が出るほど美味しかった。やはり肉だ。タンパク質は肉以外からなるべく意識して摂ってはいたが、敵わない。お肉最高!!」
Kさん
「私は雉が好きです。雉は見た目が華やかで鳴き声も可愛い、なにより鍋の具材にもなります。美しさと実用性を兼ね備えた最強の鳥です。」
Kさん
「大人になるにつれて生きるだけで精一杯だなと感じることが多くなりました。ですがそんな時こそ子供のような遊び心が大事なのではないでしょうか。」
Hさん
「そうであることが当たり前であるがために目を向けないものが意外と多い。」
Mさん
「人は、他人に自分と同一の性質を見つけたとき、他人も同じ存在かのように考えてしまうことがある。」
Aさん
「いつか旅をしたいと思っています。内と外に壁がある私が、いつかと思いを寄せた夢を描きました。」
Sさん
「いつもどこか矛盾を孕んでいるのが私だと認識している。」
日本画会場入り口展示
『生きるを写せよ』より
「人によっては、何気ない存在を見つめ、惹かれるものを掬い上げた私たちの目に映るものが、これからも私たちを突き動かしてくれますように。」
いつか、自分がこんなことを書いたことさえ忘れた大人になる若者たち。
卒展はどこかかなしくせつない。
おまけ
なぜか心惹かれたもの置き場。