フランスの美術運動を出発点とする独立美術。
これに対して、
東洋の美意識に美の規範を求める洋画運動も起こります。
日本人に合った油彩画とは何なのか?
官展(当時は文展。現在の日展)に対抗する形で、
国画創作協会が京都でうまれます。
会員以外の作品も監査を経て展示したため、官展に不満を持つ応募者が全国から殺到しました。
もともとは日本画の研究団体だったのですが、発展解消の後、洋画部門で再発足しました。
中国では国画とは水墨画のことです。
日本の国画は日本画です。
洋画の研究団体ですが、名称はそのまま継承しています。
彫刻・版画・工芸それぞれの部門をもち、現在は写真部もあります。
国画会の洋画部門の中心メンバーは、梅原龍三郎らです。
彼らは京都、聖護院洋画研究所で学んだ、あの浅井忠門下生たちです。
日本の美、東洋の美。
その美の起源は南画です。中国南宋ではぐくまれた南画。
日本では琳派として、絢爛洒脱な画風が花開きます。
国画会発起人のひとり、小野竹喬は現代風に言えば、マチスでしょうか。
↑小野竹喬
洋画に豊かな色彩美をもたらします。
単純化された造形性と装飾美が国画会の持ち味です。
↑梅原龍三郎「浅間山」
後に川島理一郎、難波田龍起、山口薫、香月泰男、川口軌外、原精一、須田剋太、里見勝蔵、小牧源太郎らが活躍します。
山口薫「あやこ 正月」
現在も、5月の連休を中心に、六本木国立新美術館で国展が開催されています。