敗戦後、ひたすら復興をめざした頃は、誰もが無我夢中です。
高度経済成長真っただ中、「一億総ざんげ」から「もはや戦後ではない」さらに「ジャパンアズナンバーワン」と言われる頃には、次第に日本がおかしくなります。
1960年代~実は日本が不確実な不安にさいなまれた時代です。
繁栄の裏側で病み始めます。
公害、自然破壊、大学紛争から校内暴力・家庭内暴力、
ソ連の台頭と社会主義運動の浸透、
地上の楽土と言われた北朝鮮の繁栄、
田中派VS福田派による自民党内の派閥抗争の激化、
そんな不安を内臓する時代に、シュールレアリスムは人々の共感を得ます。
異次元世界という想定は、実は現実の日本です。
お金優先の社会への警鐘、カネゴン。
ウルトラシリーズで怪獣をデザインしたのは、独立美術協会の画家高山良作です。
「キャプテンウルトラ」は円谷プロではなく、東映の制作です。
朝ドラ「なつぞら」の舞台は東映、さらに言えば東映の労働組合です。
人々の不安を映像化したつげ義春、「ねじ式」
戦時中は共産主義者として摘発・弾圧のあおりを受けた独立美術。
戦後その思想は姿を変え、共産主義思想の枠を超えて国民に浸透します。
絵画・演劇・映画・小説・詩・漫画・音楽…
その根源は、シュールレアリスム。
人間社会の真の姿をえぐること。
見るものすべての人々の、本当の姿を突きつけることです。
その姿は、あなた自身です。