18世紀 フランスは啓蒙思想の時代です。

人間の知の大成、「百科全書派」の誕生です。

当時は知っていれば学者です。

けれども、知を網羅し、分類が終われば、

知っているだけでは学者とは言えません。

その働き、仕組み、成り立ち…

科学はさらに進歩します。

1870年代に旋風を巻き起こした印象派。

それまでのロマン主義、写実主義、バルビゾン派を超えて、

人間の感覚の働きに目が向けられます。

世紀末ドイツに起こった表現主義。

それまで美術用語に「表現」はありませんでした。

対象を写すことが絵画でした。

「印象」「表現」

さらにイギリスからヨーロッパに波及した「アールヌーボー」

20世紀になり渡仏した日本人画家浅井忠は

「今までのようなプリミティブな絵でいいのだろうか?」

と、時代の激変に戸惑いを覚えます。

明治から30年もたつと、西洋の「科学」も「芸術」も様変わりし、

明治維新を断行し、文明開化だとはしゃいだ時代が古くなります。

 

朝ドラ「らんまん」

大学に戻った万太郎ですが、一人取り残されます。

新種の発見と分類に長けた万太郎。

「君はもう古いんだよ。」

かつて英語で呼びかけた田辺教授はすでになく、ドイツ語が研究室に飛び交います。

万人の平等と自由を求めた民権運動はいつしか、

軍人が武士に代わり、時代が逆戻りしたようです。

日清戦争で勝った日本。やがて勝利を手にする日露戦争。

台湾を手に入れた日本は、次第に傲慢になります。