以前は婚礼タンスという習慣がありました。
親は娘に高額な婚礼セットを買い与えます。
私が10代の頃勤務して工場は、婚礼タンスのメーカーでした。
デザインから骨組み、パネル、組み立て、塗装、搬送、修理まで
一貫したシステムが確立していました。
日本でも指折りのメーカーです。
1980年代、台北でのディナーショー。
年に一回、取引企業を海外に招待します。
しかし、そんなブランド企業も倒産します。
少子化、転勤族、狭い住居、ビルドイン、核家族化…
お金を使うなら、婚礼タンスより華やかな結婚式、海外旅行。
家具業界は箱モノからテーブル・椅子などの脚モノへと転換を進めます。
製造拠点の海外移転も進みます。
台湾での座卓製造
職人が手彫りします。
が、私のいた会社は、箱モノオンリー。
確立しすぎた製造システムは柔軟性がありません。
電信柱や通信網の未発達な中国は、日本に先駆けて携帯電話が普及します。
支店網の充実が銀行の強みのはずが、現在では支店さえお荷物です。
国土の隅々まで通じる鉄道インフラはJRの悩みの種です。
バス運行の方が利便性がいいのに、地域住民は存続にこだわります。
機能ばかりが充実していても、海外の人には使い勝手が悪くなるばかりの日本製品。
何もない事の強み。
他国は、最先端を最先端のまま取り入れます。
現在、
高度経済成長期、世界をリードした日本は円安そのものです。