「工芸実習」で私は漆芸をとりました。
顔料をアラビアガムで練れば水性、ポピー油などの乾性油で練れば油性、漆で練れば漆絵になります。顔料は基本古今東西共通です。
ともに植物性のメディウムで練るので技法は同じです。
法隆寺の「玉虫厨子」は漆・荏胡麻といった植物由来のメディウムで顔料が溶かれています。
漆は本来色彩豊かです。
木地は木工です。木工は工場で技術を身に着けていたので複雑な額にしました。
角はひび割れないように木組みをします。内縁は金箔です。
何層にも重ねる技法は確かに油彩画のグレーズそのものです。
漆芸はおもしろいのですが私に向かないことを知りました。
漆かぶれに罹ったからです。
実習室に入ると顔・腕など露出した肌がチクチクします。
そのうち身体全体に症状がでます。
かぶれがやがてただれ、かゆみで眠れません。
罹患しながら漆に強くなるといわれますが、あのつらさは嫌ですね。
特効薬はありません。かゆみ止めを塗り時間をかけで収まるのを待つだけです。
金沢にも遅い春がやってきます。