歴史を学ぶ時に忘れてならない視点があります。
時代はその前に青年期を迎えた人物がつくった、ということです。
明治をつくったのは明治生まれの人ではありません。
明治をつくったのは幕末の人たちです。
「明治人は偉大だ」と言われますが、
その明治をつくったのは、時代遅れ・陋習にまみれ身動きできない状況で学んだ幕末の青年たちです。
国民性は時代とともに変容します。
1979年、ハーバード大学のエズラ・ボーゲルが「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を発表し、日本人は有頂天になりました。
「もはやアメリカから学ぶものはない」
日本人は豪語します。
バブル絶頂期、イトマン事件・豊田商事事件・尾上縫詐欺事件などが起こります。
尾上縫とナショナルリースが関係します。親会社は松下電器です。
幸之助は「不動産には手を出すな」と明言しますが、
松下電器も不動産・株式売買で利益を上げていきました。
あれから30数年。
昭和の終わりとともに松下幸之助は世を去りました。
バブル後、青年期を過ごしたデフレ世代はお金を使いません。
「これからは日本の時代だ」と言われた当時、その言葉の次を人々は知りません。
「日本人が今後とも勤勉であるならば。」
高度経済成長期、数学力はイスラエルに次ぐ世界第2位と言われました。
他の分野も同様です。
ほんとにそうかな?と当時の学生を知る私には疑問です。
学ばず労せず大企業・損保・証券・銀行に就職した同期たちはその後どうしているのでしょうか。
当時の日本人の学力データのひとつ『情報』は世界第7位でした。
昭和戦前をつくったのは大正を生きた人たちです。
平成をつくった人たちは昭和戦後の人たちです。
令和をつくる人たちはどんな人たちでしょうか。
今日は令和の天皇誕生日です。