今でこそ月山に魅力を感じ、たびたび描きますが、
その当時は月山が嫌いでした。
私の故郷はちょうど月山の反対側にあり、
列車で帰るには、かなり遠回りしなければなりませんでした。
お金のない私は各駅停車を使います。
停車駅は60以上。
1分止まっても1時間以上は止まったままです。
長い長い列車の旅です。
それを和ませてくれたのが、海岸の奇岩群でした。
数年前に蒸気機関車からディーゼル機関車にかわり、
トンネルを通過するたびに窓を閉める必要がなくなりました。
トンネルが近づくと汽笛が鳴り、
乗客は一斉に窓を閉めます。
トンネル内は、眼がチクチク痛むような
石炭臭い煙が客車に充満するからです。
通称『恐竜岩』
恐竜が首を伸ばして水を飲む様に見えます。
以下、1970年代の漁村。
ところどころ茅葺屋根の民家が点在していました。
サケ漁をする番小屋。