大岡越前の世界 | 松平蘭之助令和日記

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八代将軍徳川吉宗の信任厚く、「享保の改革」を支え、江戸南町奉行から寺社奉行、さらには大名となった大岡越前守忠相(1677~1751)
大岡忠相木像(浄見寺蔵)


実際は優れた行政官僚であった大岡忠相。後世人々は人情味溢れる名奉行として、語り継いだ。
「扇音々大岡政談(おうぎびょうしおおおかせいだん)

「天一坊大岡政談」
大岡忠相役は市川團十郎、天一坊役は尾上菊五郎。


大多数の人は大岡忠相の名前を聞いて連想するのは、TBSで長らく放送されていた「大岡越前」(70~99、2006)だろう。

主人公大岡越前を演じたのは、二枚目の実力派俳優加藤剛(1938~2018)この時32歳。

「大岡越前が加藤剛か、加藤剛が大岡越前か」
大岡忠相のイメージは、剛さまによって造形されたと云っても過言ではない。

ダウンタウンの松本人志に¨正当派の二枚目¨と評された剛さま。
ゴルフ、乗馬を特技とし、古刹(こさつ)巡り、コマの収集が趣味。俳句を嗜み、無類の猫好き。素顔は誠実、真面目(酒も煙草もやらない)笑顔は明るく人なつっこいものがあったという。

舞台でも忠相役を演じた。

1970年第15回大岡祭。左から2番目が剛さま。

「マスクが近代的な甘さを持っている」と評されたことも。


忠相の主君である徳川吉宗を主人公とした有名な時代劇「暴れん坊将軍」では、
横内正

田村亮

が忠相役を演じている。

映画では、時代劇大スター大河内傳次郎が丹下左膳と二役で演じていた。
「新版大岡政談」(日活28)

滋味豊かな芝居をする名優月形龍之介。
「丹下左膳」(東映58)

新派の重鎮、柳永二郎。
「魔像」(松竹52)

忠相役は御大市川右太衛門の当たり役のひとつ。
「大岡政談魔像篇」(東映60)
左は若山富三郎。

¨アラカン¨こと嵐寛寿郎も演じた。
「稲妻奉行」(新東宝58)
左は天知茂。

東映時代劇の悪役でお馴染み山形勲も演じた。
「丹下左膳 妖刀濡れ燕」(東映60)
左から大河内、片岡栄二郎、山形。

歌う二枚目スター高田浩吉も、
「きさらぎ無双剣」(東映62)
右は市川右太衛門。

意外なところで大川橋蔵も演じている。
「血文字屋敷」(東映62)
右は大友柳太朗。

若き日の忠相役を中村錦之助(後の萬屋錦之介)が熱演した「江戸っ子奉行天下を斬る男」(東映61)
右は丘さとみ。

歌舞伎界の名優初代松本白鸚が忠相役に扮した「天下御免」(松竹60)
同作品に老中松平伊豆守役で名和宏が出演。



時代劇、現代劇を問わずほんとうの悪役が出でることを願って。