これはまだスマホなどがない1980年代の霊感の強いS君のお話叫び


大学時代、S君は友人4人と車で週末に一泊旅行に出かけました車電話

(このトンネルではありません)

 

ある静かなトンネルに入った時、後ろの真ん中の座席に座っていた石田君という友人が突然「俺に今何があっても逃げないでくれ」というのです。

 

全員が彼の方を見ると、彼の膝や腰に無数の手が伸びていました。それを見たS君たちは恐怖でパニクりトンネル内にも関わらず一斉に車を停めて車外に飛び出し出口の方へ走りました走る人

 

しかしS君だけがふと『俺だけは逃げちゃいけないかもと勇気を出して車へ戻りました。しかし車内には石田君の姿はなく…真顔

 

周囲を見ても逃げ出した様子はありません。しかしそのままトンネル内に車をおいておくわけにはいかず残った4人はとりあえず車に戻り目的地に向かいました車

 

石田君がいなくなったことを目的地の民宿の人に伝えると「ああ、あのトンネルは時々人が消えるけど後日帰ってくるよ」と言ったというのです。そんな馬鹿な、と思いつつ石田君が遅れて来るかと期待しますがそんなこともなく石田君からの連絡もありません電話

 

きっと週明けの月曜になれば大学で会えるだろう、とみんな不安に思いつつ帰宅しました。

 

しかし月曜日、大学に行ってみると石田君の姿はありません。同級生に「石田は来てない?」と聞くと「…石田って誰?」という返事。誰に聞いても石田君を知りません。

 

焦ったS君たちは学生課に行き名簿を調べますがなぜか彼の名前は無くS君たちは混乱します。一人が「石田の家に行けば分かる」と提案し、かつて知る石田君の家へ4人で行ってみましたランニングランニングランニングランニング

 

家は確かに存在し、チャイムを鳴らすと何度も顔を合わせたことのある石田君のお母さんが出てきましたドア

 

「石田君はいますか?」と聞くと「どなた?うちには息子はいませんが」と言うではありませんかガーン

 

そんなはずはない、お姉さんがいるはずだ、彼の部屋は二階の一番奥の和室だ、などと皆で騒いでいるとお母さんは気味が悪くなったのか「あなたたちは誰?ウチを調べて何を企んでるの?」と怒られて追い返されたというのです。

 

みんな自分の記憶がおかしかったのか、と疑いはじめますが、一緒に旅行に行ったS君を含めた4人全員が石田君の存在を覚えているのです。

 

そのうちの一人が「そうだ!石田と一緒に撮った写真がある!」と急いで帰宅していきました。

 

S君がその友人に電話し確認すると、一緒に撮ったはずの数枚の写真に石田君がいた場所は空間になっていた、というのです。その友人は「もうわけが分からない。気が変になりそうだ」と言います驚き

 

その後、S君以外の3人は『石田という人間は初めからいなかったんだ。霊感の強いSと一緒にいたせいで変な記憶を植え付けられたんだ』と思うことにし、正気を保てたと言います。

 

しかしS君は『俺だけは石田が確かにいたことを覚えておかなければ…』と心に決めたそうです凝視

 

このS君の話を聞いて筒井康隆著『エディプスの恋人』と似ていると思った方もいるかもしれません。

 

私もそう思い聞いたところS君はこの小説は知らないとのことびっくり

 

その頃の私は『そういうこともあるのかな』と怖いという気持ちがありました。が、今の私は『結構あることなのかも』と思っています。

 

全知全能の神のような存在は確かにある、それをもしかしたら筒井康隆さんは分かっていたか、あるいはその高次の存在が筒井さんに書かせたのかもしれませんね目

 

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