妻がうまそうな生鰹の半身を買って来た。我が家ではニンニクは使わない。代わりにカイワレや茗荷、大葉をたくさん刻んで刺身にこんもりと乗せて、ポン酢醤油をかけ回して食する。だから、今日も妻は網ザルに大量の薬味を入れて食卓に持ってきた。そして、水気の切れた上のほうから取り分けて自分の刺身の上に乗せた。
二人して、薬味を八割かた取り分けたところで、僕がザル網を食卓の隅のほうに置こうとしたら、妻が突然怒りだした。「ひとが作った料理をどうするのよ!」と。僕は「下のほうはまだ水気が切れないからちょっと置いておこうと思ったんだ」と言ったが、「自分じゃ何も作らないくせに」とむくれている。水切りの悪さにイチャモンを付けられたと思ったらしい。
そんなつもりじゃないのに、どうも難しい。