糖尿病というと太ってしまった人が、なりやすい病気と言われている。
しかし、太った人はやせると糖尿病を治せる確率が高い。
脂肪を減らすとインスリン抵抗性は解消に向かい、治っていくケースが多いからだ。
一方、インスリンの分泌不足や分泌遅延は、治すのが難しい。
だから元々、脂肪の少ない人は治りにくい、と言われる。
それで標準体形や、やせ型で糖尿病になってしまった人は、
「私、太っていて糖尿病になったわけではないんです。だから治らないの」
とか言う人が多い。
本当にそうだろうか?
最近は、やせ型女子などに脂肪肝が多いとも言われている。
身長・体重だけで太っていない、ということと、減らすべき脂肪がない、
ということはイコールではない。
1.あなたは、若い時からずっと、余分な脂肪のない状態を保ってきましたか?
2.あなたは、若い時からずっと、運動不足になることがなかったですか?
3.あなたは、若い時から、筋肉が十分にある状態を保ってきましたか?
全部YESで糖尿病になったのなら、治していくことは大変だろう。
インスリン分泌不足・遅延を治す方法は、私はまだ答えを見つけていない。
いや、実際治した人は結構いるみたいなんだが、私は実体験として語ることはできない。
私が実現できたのは、インスリン抵抗性の解消による糖尿病の劇的な改善である。
1.~3.がNOの人は、むしろラッキーである。
太っていなくても、インスリン抵抗性の解消により、治していくことが可能だ。
まあ、本当にインスリン抵抗性があるのかどうかは、OGTT検査などで調べなくては
ならないが。
でも、そういう人は抵抗性がある確率が高いと思う。
インスリン抵抗性に結びつきやすい脂肪は、異所性脂肪、続いて内臓脂肪である。
一方、皮下脂肪は比較的善人である。
元々、やせ型の人は皮下脂肪を蓄える能力が弱く、
その分内臓脂肪や異所性脂肪になる割合が大きい。
異所性脂肪が増えると、筋肉にも和牛のようにサシが入る。
しかし、異所性脂肪や内臓脂肪は、運動や食事で落とすことが比較的容易である。
こうしてみると、太っていなくても、1.~3.にYESと言えない人は、
肥満型糖尿病と基本的に同様の戦略で、治していくことが可能だと思う。
肥満型より時間がかかるだろうが、是非頑張ってほしい。
飽和脂肪酸を減らして、摂れる範囲でできるだけ糖質を摂って、筋肉を鍛えて、
和牛から輸入牛へ。
ただ、BMI等で標準体形以下の人は、エネルギーバランスをマイナスにする必要は
ほとんどない。
体重落とさなくてもいいから。