TBSから急きょ制作を依頼されたMBSと東映が、苦肉の番組作りを強いられた「影同心」は、同時間帯で「必殺シリーズ」を見ていた視聴者に受け入れられ、続編である「影同心Ⅱ」の制作が決定した✌。
続編では、前作「影同心」が中村主水よろしく、主人公3人ともに南町奉行所同心だったのに対し、「影同心Ⅱ」は4人の仲間の中で同心は1人だけとなり、後は、本家「必殺シリーズ」同様、様々な職業の人間が集まり、法で裁けぬ悪を闇の世界で裁く形に変更された🙇。
元締とも言える香月尼(浜木綿子さん)は、遊女だった過去を持つ事から、弱者に寄り添う労りの心を持ちながら、悪人には菊や桜など花の茎や枝を首筋に刺して命を奪う、冷酷な顔を演じ分けた🙌。
香月尼が住職を務める寺で寺男となる留吉(水谷豊さん)は、口に加えた釘を相手の額に吹き刺し、その後は小槌で打ち付けて絶命させる技は、殺伐とした話の中で笑いを誘った😂。
牢屋番を務めながら仲間に加わった平七(山城新伍さん)は、常時携帯する手拭いで首の骨を折る技を見せたが、最終回に敵の罠に陥り「影同心シリーズ」唯一の殉職を遂げてしまった😵💧。
今作で唯一の同心である堀田源八郎(黒沢年男さん)は、寺社奉行配下のために持ち前の凄腕を職務では奮えない怒りを「影同心」として相手にぶつける場面は、香月尼の殺しとともに、本作の見所となった❗。
1975年10月18日の第1話「影の裁きは菊一輪」で始まった「影同心Ⅱ」だが、話数を重ねる事に視聴率が低下していくと、MBSはシリーズの打ち切りを決定😫。翌1976年3月27日の最終回(第24話)「そして影は去った」で、「影同心シリーズ」は、僅か1年間で2作品・合計52話のエピソードを残し、終了してしまった😵。
なお「影同心Ⅱ」のナレーターも、前作同様に芥川隆行さんが担当😆。さらに、オープニング映像も、本家「必殺シリーズ」同様、工場公害や滑走路を飛び立つ飛行機の様子など、現代の映像を取り入れ、徹底して「必殺シリーズ」を真似たのが、個人的にも実に印象に残っている❗。
対する本家「必殺シリーズ」は、第6弾「必殺仕置屋稼業」、第7弾「必殺仕業人」と、藤田まことさん演じる中村主水を1年間登場させた結果、「うわさのチャンネル」(日本テレビ系)、「金曜ドラマ」(TBS系)、「ゴールデン洋画劇場」(フジテレビ系)などの強力な裏番組を相手に視聴率も回復し、長く続く人気番組に成長していった🙇。
結果的に「必殺」対「影同心」の対決は「必殺」に軍配が上がったが、更級右近の櫛による殺しは、シリーズ第12弾「江戸プロフェッショナル・必殺商売人」の新次(梅宮辰夫さん)が、香月尼による花の茎や枝を用いた殺しは、シリーズ第23弾「必殺仕事人Ⅴ」で花屋の政(村上弘明さん)が使うなど、本家への影響が、「狼・無頼控」(MBS、大映テレビ制作=腸捻転ネット解消前)などを始めとする、他の亜流番組より大きかったのが特徴と言える‼。
今、水谷豊さんに「留吉をやってください」と依頼しても、絶対にOKしないだろうな‼。でも「影同心Ⅲ」見てみたいよ🎵。