愛地獄とあの頃の銀杏BOYZ ~満足と後悔は続く~ | やっぱJ-POPが好き 自己満日記

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J-POPと本が好き。水着が食い込んだアイドルの尻はもっと好きです。週末は図書館をうろちょろする、ケチで自由な独身のオッサンです。もちろん友達はいません。

元メンバーのいた、あの頃の銀杏BOYZのライブに行ったことがないということを未だに後悔している。

これがブルーハーツなら「まだ幼かったから、行けなかったのも仕方がない」と諦めがつくのだが、あの頃の銀杏BOYZのライブは年齢的に十分行けた。それだけに後悔が大きい。

愛地獄 銀杏BOYZ

ロックバンドの激しいライブに行く度に、あの頃の銀杏BOYZのライブの雰囲気もこんな感じだったのだろうかと思いを巡らせることがあったが、今作「愛地獄」は臨場感溢れるあの頃の空気を痛々しいほど伝えてくれる作品だった。

ライブ映像は2008年8月ライジングサンロックフェスティバルからはじまる。

その頃、既に宗教的な人気を博していた銀杏BOYZ、そして峯田和伸。救いを求めるような狂った信者を前に、彼も教祖として正しく狂っていた。チン中村の体を捻らせ、寝転んだりと全身を使った演奏スタイルや安孫子真哉の激しいようで冷静沈着なベースプレイ、そして、村井守の暑苦しいドラムの爆音が際立つ、そんな2008年8月ライジングサンロックフェスティバル。吐き気がするほど汗臭く、圧倒的にうるさくて、情けないほど格好いい銀杏BOYZの姿がそこにはあった。

十分満足だった。しかし、ライブ映像はまだ続くのだが、僕は動画を止め、DVDを元のケースにしまった。なぜなら、満足感と比例するように、僕のなかの後悔は広がってしまうからだ。「ライブに行けばよかった」と。やはり、あの頃はあの頃でしかない。

愛があればあるほど、後悔という地獄が待ち受ける。まるでアリ地獄に落ちたかのように、這い上がろうと必死になればなるほど飲み込まれていく。愛地獄とはきっとそういう意味だ。

峯田和伸はあの頃の銀杏BOYZを越えることができるのだろうか。ただただ期待することしかできない僕の、満足と後悔はしばらく続くだろう。