　台風１０号は九州に上陸、速度が遅く停滞している九州、中国・四国各県の方々は大変だと思います。静岡県内は当初２８日頃上陸の可能性といわれていましたが、遅れに遅れ９月２日頃になるといいます。それでも雨は４，５日前から大雨・洪水警報が頻繁に発令され、市内や近隣市では冠水被害や土砂災害が発生しています。

　旗本大草氏（３５００石）の米二十五俵の厚手横広の米切手で、発行は万延元年（1860）、遠江国山名郡新池村（現袋井市）です。

　大草氏は足利尊氏に仕え、三河国額田郡大草を領したことから大草氏を名乗りました。その後、初代高正が義母大草局の縁で徳川幕府３代将軍家光の抱守となり７００石を賜り旗本に取り立てられました。２代高盛、３代高忠がそれぞれ加増により３，５００石となりました。知行地は当初、上野国・下野国でしたが、元禄地方直しによって遠江国城東・豊田両郡に移され、その後、城東郡分が榛原・山城・豊田及び駿河国志太４郡に知行替えとなりました。

　万延期の当主主膳高堅は嘉永期に火事場見廻、安政期には講武所頭取、目付などを務めています。また、高堅の父安房守高好は長崎奉行、勘定奉行、江戸北町奉行などの幕府要職を歴任しています。高好は北町奉行在任中に死去しましたが、その後任には「遠山の金さん」ことと遠山景元が就任しています。

　新池村は村高１４２３石余、幕府領と横須賀藩領を経て、天明５年（1785）、幕府領、旗本大草氏、同長谷川氏の相給村となっています。

　本切手記載の「一木家」は元西国武将の家柄で、帰農して川合村（現袋井市）庄屋となりました。裏書の一木喜三司の息子喜徳郎は、衆議院議員、文部大臣・宮内大臣、枢密院議長などを歴任し、大日本報徳社社長でもありました。勲一等旭日菊花大綬章を授与されています。

　裏　

　　　１６．３㎝×２３．１㎝

米切手№１３ 旗本大草氏米切手①

米切手№１３　旗本大草氏米切手①