★前回までのあらすじ
池が、オッター王国の所有になったことで
カワウソ大将に納税義務が発生する。
月末までに2500匹の魚やらドジョウやらザリガニやら
納付しないと、どうなるのか!?
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翌朝、カワウソ大将は、必死に100匹ほど、魚を獲りました。
しかし、自分でお昼に、20匹食べて、昼寝して目覚めると、
なぜか、5匹ほどしか残っていません。
誰かが残り物を持っていってしまいました。
月末まであと10日。このペースでは2500匹は無理です。
カワウソ大将を「アニキ」と慕う、カワウソ太郎(2歳)がやってきます。
「イタチが来て、こんなもん置いてった」
カワウソ太郎の予定申告の納付書には、
月末までに、50匹と記されています。
カワウソ太郎は、不安にかられて、メソメソ泣き始めます。
「どうすんだアニキ?」
意気地がないので、すぐ泣きます。
ふたりで途方にくれていると、アビシニアンがやってきました。
アビシニアンは納付書をじっと眺めて、
優雅に、破り捨てました。
「あ、なにすんだ!」
カワウソ太郎がびっくりして叫びました。
「私の故郷 アビシニア共和国には、納税義務はないわ」
と彼女はいいました。
「この池は、みんなのものよ。公有財産。コモンウェルス。
課税するなんておかしいわ。
私は、カワウソじゃないからオッター王国には
納税の義務がない。
そもそも、私のところには、納付書は来ていないわ。
カワウソだけに課税するのはおかしいと思わないかしら。
この池の魚は、私のお口に合わないから食べないけど、
私のお友だちの野良猫さんも、この池のお魚を食べている。
でも、彼女たちには、納付書は送られてこない。
イタチさんもやって税金を取り立てには来ないわ。
だいたいなんで、イタチがカワウソに納付書を渡すの。
あやしいわね、そのイタチさん、そう思わなくて?
オッター王国? オッターってカワウソのこと?
そもそも誰の王国なのかしら?
そんな王国のこと、聞いたことないわ」
カワウソ大将は、アビニシアンの言っていることが
どういう理屈かよくわかりませんが、
とりあえず納付書が目の前からなくなったので、ホッとしました。
カワウソ太郎も、アニキがホッとしているのをみて、
ようやく、泣き止みました。
(つづく)
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