父に叱られたことは数回しかない。
いつも
「ななは良い子。
こんな子に育ってくれてお父さん嬉しいなー」
何度も何度も言ってくれる。
そんな父に怒られたこと。
祖母が亡くなり、祖父は一人で暮らしていた。
祖父は父とは真逆で、物静かで無口。
そんなおじいちゃんはボーリングが大好きだった。
祖母が亡くなってから、
何度か皆でボーリングに行った。
父の運転でボーリング場につき、
入り口近くで私以外の皆が先におりた。
私は父にベッタリだったので、その時も父といたいが為におりずに乗り続けた。
皆が車からおりた後、
「なんでななはおりなかったん?
おじいちゃん悲しそうやったやん。」
恐い顔して、恐い口調で言われた。
当時の私も、今も、なんで怒られたのか分からない。
おじいちゃんのことを思ってなんだろう。
多分、おじいちゃんが私と一緒に行こう?
と誘ってくれてたのを断って車に乗り続けたのかな。
父は、優しい。
優しい。優しい。優しいのに、なぜ。
はやく気持ちを整理したい。