次男には小中学校からの8人の仲良しグループがいます。
今や5人が結婚してパパとなり必然的に飲み会なども消滅していました。
その中で、ひとり飛び抜けて次男を大切にしてくれる親友くんがいます。
その親友くんは、次男が引きこもっていた間もずっと気に掛けてくれて、29歳で「復活」した時は涙を流して喜んでくれました。
それから独身組の二人は、冬はスノボ、夏は海や釣りへと出かけていました。
次男をこんなに大切にしてくれる親友くんに、私と夫は一度しか会った事はなくてもなんだか身内みたいな特別な感情を抱いています。
その親友くんが結婚する事になり、昨年の10月に「婚姻届の保証人」になって欲しいと連絡が来ました。
その頃の次男は、すでにかなり精神状態が悪くなっており「外にも出れないし誰にも会えない、でもこんな大事な事を頼まれたのにどうしよう」と困惑していました。
お母さんが用紙を預かって来ようか?と提案しましたが、結局「最近めまいが酷くて起き上がれないので申し訳ないけど」とお断りしてしまいました。
親友くんは「了解!そんな具合悪い時にごめんね。何とかするから大丈夫!それよりゆっくり休んでお大事にね」と気遣ってくれました。
そして昨年11月22日「いい夫婦の日に入籍しました」と婚姻届を持った親友くんと奥様の写真がLINEに届きました。
署名欄は、仲良しグループの別の人のサインがあり、次男は「わぁあいつがサインしたのか!良かった!」と私にも写真を見せてくれました。
LINEには親友くんから「体調良くなったらまたメシに行こうぜ」とあり、次男も「結婚おめでとう。お二人の幸せを心から祈っています」「療養&療養に努めます」と返信。
これが親友くんとの最後のやり取りでした(事後次男のLINEを覗き見しちゃいました)
それから7日後、次男は旅立ちました。
次男の事を、親友くんに伝えるべきか悩みました。
本当は真っ先に伝えるべき人なのでしょう!
でも7日前に入籍して幸せいっぱいの人に、この悲しみを伝えてどん底の気分におとしめていいものでしょうか?
私がずっと次男の事で学んでいた臨床心理士のTさん(46歳・男性)は、30歳の時親友がTさん宛に遺書を残して旅立ち、その衝撃でうつ病になり後追いも覚悟した経験があり、その後立ち直り臨床心理士の資格を取られた人なのです。
そのTさんの経緯を知っていただけに、今回、人一倍優しい親友くんも失意のどん底におとしてしまう心配もありました。
夫も長男も、次男は親友くんを悲しませる事は望んでないはず。
わざわざ不幸にするのは辞めよう。このままフェードアウトして行くのがいいと決断しました。
ちょうど親友くんは、奥様のご実家の家業を継ぐ決心をして同じ県内ですが遠い街へと引っ越していました。
私も親友くんを悲しませたくなくて迷いながらも連絡しない事に決めました。
でも今でも何が正解だったのか?わかりません。
その後親友くんから、元旦の挨拶や2月には「9月に披露宴やる事になったので体調良くなったら連絡してちょ」とか4月には「おーい春だぞー」ってLINEが届いています。(開かなくても画面から読み取れました)
きっと親友くんは、一切既読にならない事に心配していると思います。親友くんの立場からしたら「そんな大事な事をどうして知らせくれないのか」と怒るでしょう。
本当に何が正解だったのでしょうか?
今でもずっとずっと心残りです。