いつもの楽屋。いつもの風景。

みんな変わらない。ふざけて、馬鹿しあって。

ていうかうるさい。

私は寝たいのに、、、

私は楽屋の隅で突っ伏していた。

 

あぁ、眠たい。

 

 

「てち。」

 

なんだよ、こっちは眠たいってのに。

 

「てちってば、」

 

「もう、、、なにさ、、」

 

そこにはいつ間にか隣に座っていたぴっぴがいた。

 

「ほら、起きないと次収録だよ。」

 

「んー。まだ眠い、、」

 

ていうか、、なんか、、、

 

「ぴっぴ 、なんか久しぶりじゃない?」

 

ぴっぴ は驚いた顔をしてこっちをみた。

 

「もう、何寝ぼけてんの、、」

 

 

ーずっといっしょにいたじゃんー

 

 

「うん、、、そうなんだけど、、、」

 

しばらくの沈黙。私はその沈黙が怖くなり、とっさに口を開いた。

 

「これからもずっと、、、一緒だよね、、、」

 

ぴっぴは一瞬悲しそうな顔をした。

でもすぐいつもの笑顔に戻り、

 

「当たり前じゃん。」

 

「ぴっぴはどこにもいかない?」

 

自分でもどうしてこんなことを聞いたのかわからない。

 

「てちは私がどっか行ったらどう思う?」

 

ぴっぴは楽屋で騒いでいるメンバーを楽しそうに見つめていた。

 

でもその瞳はどこか悲しそうで。

 

「そりゃぁ、、、悲しいよ」

 

「ふふっ、そっかそっか、かわいいやつめ!」

 

ぴっぴは両手で私の髪をぐしゃぐしゃにして笑った。

 

 

ーその笑顔もなんとなく、 懐かしいー

 

 

「ぴっぴは?」

 

「ん?何が?」

 

「私がいなくなったら悲しい?」

 

「、、、、、全く悲しくない!」

 

「え、、、、そうなんだ、、、」

 

ちょっと落ち込むんですけど、、、

 

「だって、、」

 

 

ー私がどこにも行かせないからー

 

 

「、、、、、、、。」

 

「独りにさせないよ、、、友梨奈、」

 

「うん、、、独りにしないで、、」

 

ぴっぴ はこっちに体を向け、両手を広げた。いつもの笑顔で。

 

 

「友梨奈っ、、、おいで!」

 

 

 

 

 

「っ、、、、、、」

目がさめるとそこは誰もいない楽屋。

 

「また夢か、、、、」

 

また同じ夢。何回見れば気がすむんだ。もうみたくないよ。もうみなくていいじゃん

だって、

 

ーもう、いないんだからー

 

“独りにさせないよ、、、友梨奈”

 

「、、、ぴっぴのうそつき、、、」

 

そんな私のつぶやいた言葉は、誰もいない楽屋に静かに消えていった。