The Fugitive | hiroチャンのブログ

The Fugitive


【サム・シェパード事件】
本作「逃亡者」は、現実に起きた「サム・シェパード事件」がヒントになって作られた。
1954年7月4日、オハイオ州クリーブランド郊外に住む、サミュエル(サム)・シェパード医師の家で、彼の妻マリリンが惨殺された。サムはもじゃもじゃした髪の侵入者に殴られ気絶していたと主張したものの、容疑者として逮捕され、第二級殺人(計画性はあるが第一級殺人の条件を満たさない殺人)で終身刑の判決を受ける。母親はショックで拳銃自殺し、父親も病死。しかし、1966年に行われた再審の結果、サムは無罪となって釈放される。
この事件は、マスコミに大きく取り上げられ、本にもなったために、アメリカでは有名であり、ドラマ「逃亡者」がヒットしたのはこうした背景もあった。しかし、再審結果が出ると、アメリカ国民の興味は急速に薄れた。

サムは再び開業したが、周囲の疑いの目は変わらず、患者は訪れない。サムは酒とドラッグに溺れ、金に困ってプロレスラーに転身したものの、間もなく(1970年)肝不全で死亡した。サムの一人息子サム・リースは、偏見にさらされながら伯父に育てられた。やがて、サムの家の窓掃除人だったリチャード・エバーリングが真犯人である疑いが浮上した。サム・リースは、残された証拠品に対し、事件当時は存在しなかったDNA鑑定を依頼して、エバーリングと一致するという結果を得た。エバーリングは、別の殺人事件のため終身刑で服役中、1998年に死亡したが、別の受刑者によればエバーリングは自分が犯人だと語っていたともいう。サム・リースは、父の無実の罪を晴らすための裁判を起こした。だが、2000年に出た評決では、彼の期待した結果は得られず、真相は未だ藪の中にある。

『逃亡者』The Fugitive
アメリカABC系列で、1963年から1967年まで放送され、高視聴率を記録したテレビドラマ。


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