内部情報を示した謎の人物とは・・・。
2005年5月31日
元FBI職員マーク・フェルドがウォーターゲート事件の内部告発者「ディープスロート」であったと自ら明らかにする。【ウォーターゲート事件】
Watergate Incident
1972年6月、当時の米国大統領ニクソンの再選委員会の運動員が、ワシントンのウォーターゲート・ビルの民主党全国委員会本部事務所に盗聴器を設置しようとしたことが発覚。これに端を発し、1974年8月にはニクソンが自らも隠蔽工作に関与していたことを認め、辞任を余儀なくされるまでに発展した、米国史上有数の政治スキャンダル。
【ディープ・スロート(ウォーターゲート事件)】
ディープ・スロート(Deep Throat)は、権力機構の深奥部にいてスキャンダル情報などを提供する人。内部告発者。
ウォーターゲート事件では、二人の記者に指導する形で、情報を示した謎の人物のことである。のちに、アメリカ合衆国政府高官であったことが判明して、内部告発を行ったことになると見なされた。1972年1月に公開されたポルノ映画の題名『Deep Throat』にちなんでワシントン・ポスト編集局次長によって名付られた。
※ポイントはディープ・スロートは「内部告発を行った」わけではない。つまり、世間に対して、自ら何かを訴えたわけでもない。また、何らかの具体的な情報を自分で漏らしたわけでもない。具体的に情報を世間に明かしたのは、ワシントン・ポストの二人の記者である。
では、ディープ・スロートは何をしたのか?情報を漏らしたのではなく、情報を得る方法を二人に示唆したのだ。「ここに情報がある」というふうに直接的に情報を示すかわりに、「こういう情報を探せ」というふうに道筋をおおまかに示した。ただし、具体的に道筋を見つけるのは、あくまで二人の記者の仕事。二人の記者は、必死に情報を探したことで、目指す情報を見つけた。その後、二人の記者が見つけた物に対して、ディープ・スロートは「それではまだ不足だ。もっと探せ」とか、「同じ種類の情報をもっと探せ。二重チェックせよ」とか、「それでいい」とか、ボスの立場で指導した。
つまり、ディープ・スロートは、どのような情報があるかを明らかに知っていたが、その情報を自分で教えることはしなかったのだ、その意味で「秘密漏洩」をしたわけではない。また、自分自身で直接的に内部告発をしたわけでもない。
長い間ディープ・スロートが誰なのか謎であった。
フレッド・ラルーや、ジョージH・Wブッシュ、ヘンリー・キッシンジャーなどの名が噂されたが2005年5月31日、当時のFBI副長官だったマーク・フェルトが自分でディープ・スロートだったことを公表した。当時の事件を取材したワシントン・ポストの記者も認めた。
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