Homegrown terrorism ー1ー | hiroチャンのブログ

Homegrown terrorism ー1ー


【ボストンマラソン爆弾テロ事件】
Boston Marathon bombings

2013年のボストン・マラソン競技中に起こった爆発事件

『ボストンマラソン爆弾テロ事件』とは、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストンにて、第117回ボストンマラソンの競技中であった2013年4月15日14時45分頃(現地時間)(日本時間16日3時45分)に発生した爆弾テロ事件である。

場所:アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン
日付:2013年4月15日
14時45分頃(UTC-4)
概要:マラソン途中、フィニッシュ地点付近で爆弾テロ。
攻撃手段:爆弾テロ
武器:圧力鍋による爆弾
中身は釘や金属片入り
死亡者:5名
4月15日の爆弾により死亡した一般人3人
4月18日にMIT付近で射殺の警官1人
4月19日の銃撃戦による容疑者側死亡1人
負傷者:合計299名
4月15日の爆弾により負傷した一般人282人
4月19日の銃撃戦による警察側負傷16人
4月19日の銃撃戦による容疑者側負傷1人
容疑:タメルラン・ツァルナエフ(死亡)
ジョハル・ツァルナエフ(逮捕)

《概要》
この日、ボストンでは第117回ボストンマラソンが開催されていた。ボストンマラソンはアメリカ3大市民マラソンに数えられる大会で、国内外から多くのランナーが集まっていた。そのレース中、ゴール付近のコプリー広場で2度爆発が発生、その際に3人が死亡、282人が負傷したと報じられている。

1度目の爆発はトリニティ教会などがあるコプリー広場近くのボイルストン通り671番地の「マラソン・スポーツ」前で発生し、それから12秒後にゴールから見て2ブロック、距離にして約100m離れた地点で2度目の爆発が起きた。この爆発で周辺の店舗の窓ガラスは粉々に吹き飛ばされ、ボストン公共図書館3階の窓も破壊された。現場付近には他に2つ、ないしは3つの不発弾が発見され、ボストン市警察の爆発物処理班によって処理されたと報道されたが、後に爆弾は爆発した2つのみと判明した。

事件の発生当時、ゴール付近に設置されていた記録用の時計は「4時間9分43秒」を指しており、これは前回大会で最も多くのランナーがゴールした時間帯であった。今回もトップランナーたちは2時間ほど前に現場を通過しており、後方にも多くのランナーが走行していた。

捜査当局の発表によると、爆発物はいわゆる即席爆発装置で、圧力鍋が使用されており、殺傷能力を高めるためにボールベアリングや釘などの金属片が含まれていた。また、このような攻撃が迫っていることを示す事前の兆候はなかったとしている。

公的機関の発表によると、4月16日現在で8歳男児・29歳女性・ボストン大学院生の中国人女性の3人が死亡し183人が負傷した。地元紙「ボストン・グローブ」(The Boston Globe) によると、100人以上が様々な施設で治療を受けている。22人はマサチューセッツ総合病院に、10人はボストン小児病院(Boston Children's Hospital)に、9人はタフツ・ニューイングランド医療センター(Tufts New England Medical Center)に、20人はブリガム及び婦人病院(Brigham and Women's Hospital)、20人はボストン医療センター(Boston Medical Center)に搬送されたという。少なくとも10人が手足の切断を余儀なくされた。

《アメリカ政府の対処》
事件発生後すぐにマラソンは中止され、ボストン市警察は事前に取り決められていた対処計画に基づいて残っていたランナーをボストンコモン(中心部にある大きな公園)やケンモア・スクエア(ボストン大学近くにある大通り)に避難させた。ゴール近隣にあるラノックス・ホテルからも全員退避させた。警察は爆発現場周辺15区画を立ち入り禁止とした。この事態を受けてバスや地下鉄を運営するマサチューセッツ湾交通局(MBTA)は運行の一部を停止させ、マサチューセッツ州軍(Massachusetts National Guard)と海軍の部隊が地元当局を援助するために加わり、爆発物処理班が付近の捜索を行った。また、連邦航空局(FAA)は念のためボストン上空の飛行を制限し、ボストン・ローガン空港にいる飛行機には地上待機命令を発した。
事件を受けてエリック・ハンプトン・ホルダー司法長官は事件捜査にアメリカ司法省の総力を投じるよう指示。ニューヨーク市警察は対テロ部隊の車両を主要な地点に展開させ、ホテルなどの警戒態勢も引き上げた。ワシントンD.C.でも警戒態勢が引き上げられ、ホワイトハウスで部分的に避難が行われたほか、シークレットサービスによってホワイトハウスに繋がるペンシルベニア通りが封鎖された。また、加害者は特定されていないものの、連邦捜査局(FBI)はテロ事件として捜査を進めた。

マサチューセッツ危機管理庁(Massachusetts Emergency Management Agency)は、電話回線が輻輳していることを受け、近隣の人々に電子メールを使うよう呼びかけた。なお、携帯電話の回線は込み合っているものの正常に作動している。また、赤十字はランナーの情報が得られるよう援助を行っているほか、ボストン市警察は家族の安否を心配している市民のためにホットラインを設置し、情報提供を行っている。このほか、グーグルの安否確認サービス「グーグル・パーソン・ファインダー」が「ボストン・マラソン爆発事件」(Boston Marathon Explosions)に関する災害サービスを始動。情報収集を開始している。

事件の第一報を受けたバラク・オバマアメリカ合衆国大統領は緊急記者会見を行い、「誰がこのようなことを行ったのかを究明し、責任を取らせる」と声明を発した。オバマ大統領は連邦警察当局に対して「必要な支援などを行うよう」指示を発している。また、ジョン・ベイナー下院議長は国会議事堂に被害者のために半旗を掲げるように指示している。

《影響》
同日に予定されていたNHLのボストン・ブルーインズのホームゲームが延期となり、翌日に予定されていたNBAのボストン・セルティックスのホームゲームも中止となった。
また、イギリスの大きなマラソン大会であるロンドンマラソンの主催者は、マラソン自体に差し迫った脅威はないものの、この事件を受けて警備体制を見直すことを発表した。

国際陸上競技連盟(IAAF)会長のラミーヌ・ディアックと、国際オリンピック委員会(IOC)会長のジャック・ロゲは、共にボストンでの事件に際し、テロがスポーツ競技会を標的にしたことを非難する声明を発表した。
事件は捜査当局を過敏にさせた。ガーディアン紙によると、合衆国内の夫婦で、夫が「リュックサック」、妻が「圧力鍋」と検索したところ、自宅に警察が事情聴取にやってきた。

《容疑者》
描写と判別
東海岸時間4月18日午後5時20分に行われた記者会見でFBIが容疑者2人の写真と監視ビデオを開示した。それによれば、容疑者はそれぞれバックパックを担ぎ脇目をふらず行進している。FBIは判別に関連した情報を一般から募集した。両足を切断した被害者のジェフ・バウマン(Jeff Bauman)は爆弾の一つの脇にいて、意識を取り戻した際、FBIに "bag, saw the guy, looked right at me"(カバン、男を見た、私を正面から見た)というメモを渡した。バウマンは後に容疑者の1人が爆発の2分半前にバックパックを下ろしている様子の詳細な記述を当局に提供し、判別写真の速やかな提供に貢献した。当局は後に容疑者写真の公開が「間違いなく捜査のターニングポイントだ」としている。

容疑者はFBIによって証拠の写真とビデオから容疑者1と容疑者2と呼ばれ (またはそれぞれ "black hat"(黒帽)と"white hat"(白帽)) ・ 爆破後に「正常でない反応を示した」犯人は止まって爆発の余波を見守り、逃げるような素振りはなく、落ち着いた様子で現場を歩いて去った。容疑者特定の協力を要請したところ、一般から大量の写真と家庭ビデオが捜査当局に提供され、当局とオンラインソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の一般人が詳細に吟味したが、SNSでは多くのデマが広がり大手メディアにまで掲載されたほか、redditなどによる一般人の捜査によって赤の他人が犯人とされる事態も起こった。

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