Massive Ordnance Air Blast bomb | hiroチャンのブログ

Massive Ordnance Air Blast bomb


2017年
アメリカ合衆国がアフガニスタンで大規模爆風爆弾を使用。





2017年4月13日、アフガニスタンのナンガルハール州アチン地区にあるISILのトンネル施設に、実戦において初めて使用されたことが、アメリカ国防総省によって発表された。この攻撃でISILの戦闘員とみられる90人以上が死亡した。この攻撃は地下要塞を複数持つ北朝鮮への牽制とメディアからは憶測される。

米軍は4月13日、アフガニスタンで過激派のいわゆる「イスラム国」(IS)が使用するトンネル網に対して、9800キロ級の大規模爆風爆弾(MOAB)「GBU-43/B」を投下したと発表した。
アフガニスタン政府は、空爆は自分たちと連携して実施されたものだと発表。
国防総省は、東部ナンガルハル州アチン地区で現地時間の13日夕方、ISに対してMOABを使用したと発表。
アフガニスタン政府のアブドラ・アブドラ行政長官(首相に相当)は、攻撃について米政府と連携していたと発表。「民間人に損害を与えないよう細心の注意を払った」と説明。

大規模爆風爆弾(Massive Ordnance Air Blast Bomb)は略称「MOAB」をもじって、「Mother of All Bombs」(あらゆる爆弾の母親)とも呼ばれ、全長9メートル以上。原爆以外で米軍が実戦使用した最大級の大型爆弾となる。
2003年に米フロリダ州の空軍基地で発射実験が行われたが、実戦で使われるのは初めて。

アフガニスタン駐留米軍のジョン・ニコルソン司令官は、現地のISは「敗退を重ね、防衛を固めるために即席爆発装置(IED)やバンカー、トンネルを使用している」と説明。
「我々の攻勢の勢いを維持するため、(トンネルなど)こうした障害物を削減するには、(MOABは)適切な武器だ」と司令官は述べた。

ドナルド・トランプ米大統領は、「またしても成功だ」と会見で述べた。

ホワイトハウスのショーン・スパイサー報道官は、「ISISの戦闘員が移動に使うトンネルや洞窟の一帯を標的にした。トンネル網を使うことで、米軍の軍事顧問やアフガン軍を簡単に標的にできていた」と説明。市民の死亡や「攻撃に付随する損害」を避けるよう必要な対応はとったと述べた。

アフガニスタン国防省によると、MOABはISが複数の洞窟やトンネルを使っていたモマンド渓谷にある村の周辺に着弾。保管されていた大量の兵器も破壊されたという。

BBC特派員たちによると、空爆された地域のほとんどは山間部で人口は少ない。地元情報によると、爆発は非常に強力で、周辺の2つの地域でも爆音が聞こえたという。

米政府は空爆の詳細な結果を公表していないが、地元当局によると、多くのIS戦闘員が死亡。幹部のきょうだいも死亡したと言われている。
アチン地区のエスマイル・シンワリ知事はBBCに対して、米空軍の応援を受けてアフガン特殊部隊が13日前からこの地区でIS掃討作戦を開始したと説明。それ以来、ISに対する攻撃は繰り返し実施されてきたが、「ゆうべの爆撃は非常に強力だった。これほど大きい爆発は見たことがない」と話した。

ナンガルハル州のグラブ・マンガル州知事は、ISが洞窟やトンネル網を「殺人を重要会議」のために使っていたと述べ、MOAB攻撃は「隠れていたISの外国人戦闘員を全員殺す」ための、特定の目的のための攻撃だったと話した。

アフガニスタンのハミド・カルザイ前大統領は、「核兵器を除いて最大の爆弾を米国がアフガニスタンに投下したことを、最大級に非難する」とツイートした。
BBCのジョナサン・マーカス防衛外交担当編集委員は、「トランプ政権のアフガン政策はまだ検討段階にあるが、MOABを使用したのは、ISの分派がどこに出現しようと標的として最優先して掃討するという政権の方針を、強力に示すものだ」と指摘する。

一方で、アフガニスタン空爆を発表した数時間前、国防総省はシリアで11日に行った空爆によって、米国が支援する反政府勢力、シリア民主軍(SDF)の18人を誤って死亡させたと認めた。ISの位置と誤認してSDFを空爆したという。



Massive Ordnance Air Blast bomb
GBU-43/B MOAB
MOAB(モアブ、英: Massive Ordnance Air Blast、大規模爆風爆弾兵器)、制式名称 GBU-43/B は、アメリカ空軍が開発した、2017年1月現在、通常兵器としては史上最大の破壊力を持つとされる爆弾である。



空軍内部では「全ての爆弾の母」を意味する「mother of all bombs(マザー・オブ・オール・ボムズ)」と呼ばれることもある。これはイラクの独裁者サダム・フセインが、かつて湾岸戦争を「全ての戦争の母」を意味する「mother of all battles(マザー・オブ・オール・バトルズ)」と呼んだことに因む。

MOABは、デイジーカッターの後継として、2002年に空軍研究所で開発が始まった。その後、航空宇宙・防衛企業であるダイネティクス社が参画。発案から設計図が完成するまで、3カ月程度の短さであったという。その後、2003年3月11日にフロリダ州のエグリン空軍基地で実地試験が行われ、11月にも試験が行われた。
しかし、2003年に始まったイラク戦争では、国防総省が「衝撃と畏怖」戦略の一環として対人兵器として使用することを勧め、1発のMOABが実戦配備されたが使用されなかった。

直径1mを超える非常に巨大な爆弾である。
全長 9.14 m、直径 1.03 m、総重量 9,752 kg、炸薬量 8,482 kg。
炸薬にはスラリー爆薬もしくはトリトナール(TNT 80%とアルミニウム粉末20%を混合したもの)と言われるが、成分は明らかにされていない。
基本的な設計思想は、ベトナム戦争及びアフガニスタン侵攻で使用されたデイジーカッターと同様である。
大きさは、第二次世界大戦中にイギリス空軍が用いた「グランドスラム」という爆弾をよりわずかに小さく、現有されている通常爆弾としては最大である。
広範囲を凄まじい爆風で吹き飛ばす威力を持っているMOAB(モアブ)ですが、実地試験では、その爆発威力の範囲は半径400~500mと言われています。
そのあまりにも凄まじい爆発のため原子爆弾のようにキノコ雲が発生したと言われいます。放射能は無いとはいえ、全長約1kmもの部分に被害を及ぼす兵器です。






巨大な爆弾のため通常の爆撃機には搭載できず、C-130やC-17などの大型輸送機の後部貨物扉からMOABを載せたパレットごとパラシュートで引き出されて空中投下される。地上まで単純にパラシュートで降下するデイジーカッターと違い、パラシュートが付いたパレットから切り離された後はGPS誘導により展開した格子状のフィンで方向を制御して降下するため、デイジーカッターよりは命中精度が高く、また高高度から投下できるため敵の対空砲火を浴びる危険性が少ない(パラシュートを使用する場合、ある程度高度を下げる必要がある)という利点がある。

MOABの開発後、ロシアではMOABの4倍の威力があるとされるサーモバリック爆弾、ATBIPが開発されたが、この爆弾にはMOABへの対抗心からか全ての爆弾の父というニックネームが付けられている。


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