Black Sunday | hiroチャンのブログ

Black Sunday


【トマス・ハリス】
アメリカの小説家。テネシー州ジャクソン生れ。



本名:ウィリアム・トマス・ハリス三世
William Thomas Harris III
誕生:1940年4月11日
アメリカ合衆国テネシー州
職業:作家・推理作家
国籍:アメリカ合衆国
活動期間:1975年 -
ジャンル:推理小説、サイコ犯罪小説
代表作:羊たちの沈黙
デビュー作:ブラック・サンデー

地方紙「ニューズ・トリビューン」の記者ののち、ニューヨークのAP通信社でレポーター兼編集者となり、この間に犯罪の世界に関して貴重な洞察を得、のちに最初の小説を書くきっかけになった。パレスチナゲリラによる、スーパーボール会場への飛行船によるテロという奇想天外なアイデアで、1975年『ブラック・サンデー』を執筆しベストセラーとなる。なお、同作品は映画化もされたが、パレスチナ問題という微妙な問題を扱っていたため、日本では公開直前に中止に追い込まれた。(後にソフト化されリリース)

1988年、前作『レッド・ドラゴン』(1981年)に続くハンニバル・レクターを主人公とする小説『羊たちの沈黙』を発表、映画化されアカデミー賞を受賞、映画配給会社のオライオン・ピクチャーズ(Orion Pictures Corporation)を倒産の危機から救った。1999年に発表した『ハンニバル』も映画化され、前作以上の興行収入を得た。さらに2005年、レクターの少年期を描いた『ハンニバル・ライジング』を出版し、2007年に映画化された。
大衆の前に姿を現すことがなく、非常に謎の多い人物である。40年の作家生活で作品はこれら5作しかないという、寡作な作家でもあるが、作品は全て映画化されている。
大学時代に出会い結婚した妻ハリエットとの間には一人娘アンがいるが、1960年代に離婚している。

《作品一覧》
ブラック・サンデー(Black Sunday、1975年) 宇野利泰訳、新潮文庫、改版刊 




レッド・ドラゴン(Red Dragon、1981年) 小倉多加志訳、ハヤカワ文庫(上下)、決定版刊 




(『刑事グラハム/凍りついた欲望』で映画)


(『レッド・ドラゴン』に改題) 

羊たちの沈黙(The Silence of the Lambs、1988年) 菊池光訳、新潮文庫/高見浩訳、新潮文庫(上下)、決定版の新訳。ブラム・ストーカー賞受賞 



(ジョディ・フォスター、アンソニー・ホプキンスで映画化) 

ハンニバル(Hannibal、1999年) 高見浩訳、新潮文庫(上下)


ハンニバル・ライジング(Hannibal Rising、2006年) 高見浩訳、新潮文庫



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【ブラック・サンデー(Black Sunday )】
1977年制作のアメリカ映画。トマス・ハリスの同名小説の映画化。

『ブラック・サンデー』
Black Sunday

監督:ジョン・フランケンハイマー

脚本:アーネスト・レーマン
ケネス・ロス
アイヴァン・モファット

原作:トマス・ハリス

製作:ロバート・エヴァンス

製作総指揮:ロバート・L・ローゼン
出演者:ロバート・ショウ
ブルース・ダーン

音楽:ジョン・ウィリアムズ

撮影:ジョン・A・アロンゾ

編集:トム・ロルフ

配給:パラマウント映画

公開:1977年3月11日
2011年2月5日
上映時間:143分
製作国:アメリカ合衆国
言語:英語
興行収入:$15,769,322

《概要》
1970年代のアメリカ。軍人としてベトナム戦争で戦った男が祖国に裏切られた復讐からアラブのテロリストと手を結び、国内での数万人規模の大量殺戮に着手。
テロリスト暗殺を仕事とするイスラエル諜報特務庁の殺し屋、カバコフ少佐はアメリカ国内でのテロ行為により市民感情がイスラエル支持から離れるのを防ぐために、海を渡り大義のない死闘を繰り広げることになる。

ブラック・サンデーのブラックとは復讐者のランダーが手を組む実在のテロリストグループ「黒い九月」をさし、当時アメリカ国内でのテロ活動がされていない時期に、来たるべき恐怖を予見している。また、サンデーとは休日のテレビに映らない社会の影となった人間たちの怨念を表している。

ストーリー
ベトナム戦争で捕虜となったマイケル・ランダーは屈辱の境遇で精神的に切り刻まれる。さらに解放され帰国した彼を祖国で待っていたのは、妻の裏切りと世間の冷たい視線だった。
裏切られた事実に静かな怒りを燃やす彼が思いついたのは、アメリカ最大の娯楽であるフットボールの最高峰、スーパーボウルの観客皆殺しだった。
すり鉢型の観客席の上空を飛ぶコマーシャル用の飛行船を操船するランダーは船の下部に船底型に成型したプラスチック爆弾を取り付け、爆発の威力で外側に埋め込んだ22万のライフルダーツ(フレシェット弾)が隙間なく客席へ飛来し、同時に人間の体を破壊するアイデアを着想する。
しかし国内で強い爆発力を持つプラスチック爆弾を入手するのは困難であり、伝手を辿ったランダーが実行したのは黒い九月の指導者への協力要請だった。

そんな折、モサド工作員のカバコフ少佐はアメリカ国内でのテロ活動を察知、正体不明の影を追ってアメリカに渡る。

キャスト
ロバート・ショウ:デイヴィッド・カバコフ
ブルース・ダーン:マイケル・J・ランダー
マルト・ケラー:ダリア・イヤッド
フリッツ・ウィーヴァー:サム・コーリー
スティーヴン・キーツ:ロバート
クライド・クサツ:オガワ

日本公開
日本では、1977年7月30日から劇場公開の予定だったが、上映中止を求める脅迫状が届いたため、興行を行う東宝の判断で22日になって上映中止となった。
脅迫状はハガキにペンで「ジェット・ローラー・コースターの上映を即刻中止せよ」「無視されれば対抗手段としてテロなどの実力行使をもってする以外にはない」という文面で東京の神田郵便局管内から21日に投函されていた。宛先は配給元のCIC関西支社と東京都内の有楽座、渋谷東宝会館、新宿プラザ劇場の3映画館。差出人はそれぞれ「京大C線」「大谷大学京都C線」「愛工大C線」となっていたが、いずれも実体のないグループ名だった。警視庁の調べでは「関係各機関からの自粛の訴えを黙視したことは絶対に許せない」との文面があったが、『ジェット・ローラー・コースター』にはそのような訴えはなく、本作が7月初旬の試写会の後、中東諸国の大使から「内容が偏向しているため、上映を中止して欲しい」と要望があったことが判明し、作品名を混同したものだろうと考えられた。
東宝系の映画館は「万一を考え、やむなく中止」と上映を断念した。その後、ビデオなどは販売されている。
2006年には、DVDを発売記念した特別試写会が、東京・新宿の明治安田生命ホールで行なわれた。 2011年に上映の第2回午前十時の映画祭の上映作品に選ばれ、日本で初めて正式に映画館で上映された。

備考
2005年に放送されたドラマ『逃亡者 木島丈一郎』(フジテレビ)では、本作に言及するセリフがある。

1991年に発表されたトム・クランシーの『恐怖の総和』において、スーパーボウル開催中のスタジアムでのテロというアイデアに登場人物が言及するシーンがある。


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