久しぶりにスマッシュなヒット作の予感。




残念な人の思考法(日経プレミアシリーズ)/山崎将志

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残念な人の思考法/山崎将志


タイトルの通り、残念な現代日本人の大半にとっての必読の書であると思いブログにした。

人間は基本的に愚かであり素晴らしいという上位概念の話ではなく、

残念とはつまり仕事における
「MOTTAINAI」ことということで進めて読んでみていただきたい。


○なぜ残念なのか
すべては序章に描かれている。
・能力もやる気もある「残念な人」
・働いても働いても結果が今ひとつなのはなぜ?
・残念な人≒「もったいない人」
・論理思考力があるのになぜ「残念」になるのか
・仕事ができないと言われる「頭のよい人」
・仕事の成果=プライオリティ(の正しさ)×能力×やる気


基本的にはビジネス、生産することにフォーカスしているので「結果を出すこと」とその「プロセスの最大化」にこだわりっており
①ビジネス書にありがちなポジショントークに見られる別の世界観を感じさせない文章と
②違和感なくすべての人にやさしいロジックで説明されている構成

という意味で入門書であり必読者なのだなと感じた。

なぜこのような書籍が書けるのか?

端的に
「前提条件」の一言に尽きると思う。

一項目引用してみよう。



論理志向は、ビジネスパーソンに不可欠な能力のひとつである。

論理志向とは、どこまでを議論すべきかその対象とする範囲を明確にし、そこで出てくる要素をモレなくダブりなく整理したうえで、順序だてて主張を組み立てて考えることである。この思考方法は仕事において大変重要なのだが、それがすべてではない。そこには二つの現実面での問題点がある。



まずは、議論の対象とする「範囲」をどうやって明確にするのか、どうやって「要素」をモレなくダブりなく整理するかである。しかし、そもそも現実的に、これが絶対正しい「範囲」だというものは存在しない。「要素」をモレなくダブりなく整理するのは時間的にも、人間の認知能力的にも不可能である。



だから、これが議論の「範囲」である、重要な「要素」である、と決めなければならない。
つまり、論理思考と言っても、その考え手自身の意思や世界観に左右されるのだ。揺るぎない条件のように思われる「範囲」と「要素」は、普遍的に正しいというわけではないのである。




もうひとつはの問題は、順序だてて組み立てた主張には、必ず出発点が存在するのだが、その出発点自体が常に仮説であり、個人の世界観であるという点である。例を挙げてみよう




・セールスには論理思考が不可欠だ。私はセールスマンだ。だから私には論理思考が不可欠だ。

・セールスには論理思考が不要である。私にはセールスマンだ。だから私には論理思考は不要である。


どちらも論理的には正しいが、結論はまったく異なる。そうなってしまう理由は論理の出発点が違うからである。これは、とても重要なことである。しかも、問題はこの文章を読んでいる間は「ふーん、なるほどね」で済んでしまうが、現実のもっと難しい問題に直面した際に、とれる選択肢はひとつなのである。


以上二つの問題から言えることは、論理とは、ある「前提条件」における、ある問題を解決しようとしたときに、百人が百人同じ結論が出る、という筋道ないしはステップのことである。同じ筋道をたどっているにもかかわらず結果が異なるということは、「前提条件」が異なる、ということだ。

残念な人、すなわち、間違えてしまう人は、「前提条件」で間違えているわけである。これが、能力もあるし、やる気も十分だが、成果が出ない人の本質である。



なうほどー。




本質は以上で述べたが、仕事の成果としてのモデリングには

①プライオリティの正しさ(本質)×②能力×③やる気

のすべてが必要であることはもちろんのこと。




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