一路(上)/浅田 次郎   一路(下)/浅田 次郎

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浅田次郎の『一路』を読みました。

 

おもしろかった!むふふ♪

 

江戸末期、黒船来航よりも後のころ、

関ヶ原近くより中山道を通って参勤交代するロードムービーならぬ

ロードノベル!?
登場人物の多さでは『終わらざる夏』 にひけを取りませんが

散漫な感じもなく、最後までかなりのスピードで読めました。

 

主人公は、親の急死で家督を継いだ小野寺一路。

家督とは、参勤行列を差配する御供頭なのですが、

頼りとするのは大昔の「行軍録」のみ。

果たして無事に江戸に到着するのでしょうか・・・

 

今回の浅田作品では、馬がしゃべっていました。

『マンチュリアン・リポート』では、機関車がしゃべっていましたが

馬の方がマシだと思います(^_^;)

 

表紙は山口晃さん。

三浦しをんの『風が強く吹いている』と似た感じであり

山口さん独特の世界。

表紙を眺めているだけでも楽しいですよ♪


以下は、ネタバレになるかもしれませんが・・・

小野寺一路が仕えるお殿様が、上様(将軍さま)との会話で

とっても今風な発言をされていたことが印象に残りました。

自分の領分や本分をわきまえているので、過分な期待には

答えられない。自分は自分の領民を治めるので精一杯…的な

発言をしていたのです。

私には領分以上を求めない=やろうとしないとも

受け取れました。

 

もちろん、そういう人がいてもいいのですが

ノブレス・オブリージュや公僕という言葉もあるので、

人徳・頭脳・財産など持っている人が公のために尽くす

べきなんじゃないかなぁ